Microsoftが2022年度第2四半期決算を発表していました
ティッカーシンボルは$MSFTです
同社は米国最強企業のうちの一つです
よくGAFA、あるいはGAFAMと言いますが
去年くらいからこのMの強さが改めて見直されているように思います
(Amazonは決算ミス、FB, Googleは訴訟されまくり
Appleは 半導体懸念がある状態なので)
前回の決算でも安定した強さを見せつけていました
決算結果は問題なし
詳細はこちらからです
非常に見やすいサマリですね
2022Q2 | 結果 | 予想 | 評価 |
EPS | $2.48 | $2.31 | ⭕️ |
売上高 | $51.7B | $50.88B | ⭕️ |
売上高前年同期比: +20.0%
まだ売上が+20%越えで伸び続ける化物企業ですね
売上高の内訳は以下です
1. Productivity and Business Process
Office 365(WordやPowerPoint), Dynamics, LinkedIn などの売上
-> $15.9B (YoY +19%)
前四半期よりまた上昇です
LinkedInは後述の理由で好調だとのことでした
2. Intelligent Cloud(Azure, Windows Server など)の売上
-> $18.3B (YoY +26%)
前四半期からは下がりましたが、依然として高い成長率を続けています
Azureに限って言いますと売上高成長率 YoY +46%です
(いつも売上高自体は公表されていません)
徐々にAzureの成長率が下がってきましたね
予想は+48だとか言われていたのでそれには❌ です
、、初めてMSFTで❌ をつけた気がしますが
3. More Personal Computing(Surface, Xbox, Bingからの広告)の売上
-> $17.5 B (YoY +15%)
四半期純利益は$18.8Bでした。前四半期と比べて低下しましたかね
依然として収益化する力が非常に大きいのも大変魅力的です
ガイダンスも非常に強気
売上高:◎ 48.9B VS 予想48.22B ⭕️
売上高前年同期比 +48.22%
EPS: $2.21 VS 予想 $2.17 ⭕️
売上高前年同期比 +13.2%
面白い話としては、
現在米国では、賃金上昇による転職がブームになっており
それを陰で支えるLinkedInが好調になるとのことでした
LinkedInは広告で稼ぎを得ています
新しい働き方、新しい転職の仕方、技術の身に付け方が起きているということで
”Great Reshuffle”と彼は形容していました
なお広告といえばAT&Tから買収したXandrも活躍します
アドテクのプラットフォーム企業ですね
セキュリティに関しては前回のガイダンスから
エンドポイントセキュリテイの話が積極的に出るようになりました
これは露骨にクラウドストライク($CRWD)を意識したものですね
マイクロソフトのセキュリティ技術はここ5年くらいで急激に成長しており
いまではMcAfeeやトレンドマイクロなんていらない、というのが一般的な論調ですが
会社とかでのリモートワークをエンドポイントセキュリティで信頼できるものにする狙いがありそうです
リモートワーク自体は無くなることはないですからね
ゲーム方面も順調といったアナウンスがされていました
Activision Blizzard, Inc.の買収が話題になっていますね
これによりメタバースへの殴り込みを計画している、とのことでした
Conference Callではメタバース、といった言葉が何度か出てきており
ゲームはもちろんなのですが
スマートシティやスマートファクトリー
IoTやデジタルツイン
このようなものも包括してMetaverseと捉えていますね
仮想現実、ARのようなところはまだそれほど尖った技術はない印象ですが
おそらく今後も買収していくのではニノかなと思います
PCに関しても順調で
サプライチェーンの問題があるものの好調が続くとのことでした
、、ConferenceCallではCEO Satyuaによるプロダクトの説明があるのですが
その豊富さに毎度舌を巻くな、といった印象があります
ちょっと並べてみても
Azureのプロダクトは星の数ほどあり、一番上のCosmosDBなんてほんの一例なのですが
カンファレンスで特に上がってきたようなこれらサービスが全て好調だと述べているのだから
化け物企業ですね、ほんと
個人的には、GAFAに比べて遥かに過小評価されている気がならないです
↑で示した通り、売上高のバランスは見事でして
かつそれらが成長し続けているおかげで
一つの事業が吹っ飛んでも全く問題ない強さをもっています
他GAFAはどうも売上の比重が偏りすぎている認識です
、、、一般にコングロマリット(複数の事業を抱えている会社)は
株価の評価が低いと言われています
MSFTをコングロマリットと呼ぶかどうかはなんともいえませんが
もしかするとこの傾向に当てはまるのかもしれませんね
株価は上昇
株価は決算を受け、反発しました
その前に下がっていたので少し分かりにくいですがね
今回も、いつもと同様決算直後に下がりました
しかしその後の強気ガイダンス(カンファレンスコール)で盛り返したような感じです
ガイダンスが弱気な企業が多い中、しっかりとしていて好感です
半年でみるとまだプラスですね。+4%です
他GAFAと比べても、やはり良い銘柄だと思います
AMZNは半年で-23%
FBは半年で-21%
GOOGLは-5%です
AAPLは唯一のMSFT超えです
この半年は、物を売っている企業の方が強い印象がありますね
ディフェンシブの側面を持つ銘柄
MSFTを取り上げるときに、これはハイテク銘柄なのか、グロース銘柄なのか
等といった謎がでてきます
ハイテクであるのは間違い無いですが、グロース銘柄かというと違いますかね
MSFTは成長率前年同期比(YoY)が+20%程度です
グロース銘柄の明確な定義は無いのですが
ハイパーグロース銘柄と呼ばれるものは、YoY+100%超えなど出てくるため
それらには当然及ばない(というかめざしていない)と思います
またハイパーグロース銘柄は利上げ局面に極めて弱いことが知られており
この半年くらいでそれらの株価は大きく下がっているのですが
MSFTは株価が下がっていないことから
ディフェンシブな側面が大きいと考えています
さらにMSFTは成熟企業の特典である配当金も出しており
これからも株主還元は続けていくということで
ある意味JNJ(ジョンソンエンドジョンソン)のような企業になっていくのかもしれません
不景気になっても我々がWindowsを使わなくなることはないでしょうし
社内で一度導入したAzureを急に取りやめることもないはずです
カンファレンスコールでも今後の成長率は下がるだろうとは述べられていましたが
それでも大きく動揺することなく、確固たる位置を保ち続けるのかなと思います
総じて、ハイテクですが守りの側面が強い企業の理解です
株価がガンガン上がることは少ないかもしれませんが
ガンガン下がることも今のところは少ないと感じています
このような環境下ですと、休むも相場だとは思いますが
どうしても買いたい人の選択肢の一つになるのではと思います
もっとも、今の旬は石油とかエネルギーとかですが、、
ちょっと上がりすぎの気配もあるのでここのあたりは波を見る必要ありそうです
ちなみに、FOMC後のパウエル議長の演説はいまいちと評判でした
いつもと比べて何が言いたいかよくわからない内容でしたね