** 7/12 23時追記
株価が急落し、何事かと思いましたが
アットザマーケットオファリング(ATM)を行っていたことが発覚しました
At-The-Market(ATM) は会社の資金調達方法の一つ。
とにかく市場の値(成行値)で株を剃って買い手に売り浴びせて現金を新規に調達する確保する手法。
市場に出回る株式の数は増加しますので、行った後は株価が上がりにくくなります。
正直このタイミングでの売り浴びせはありえないです
2021年7月11日朝、日本時間12日未明にヴァージン・ギャラクティックが有人飛行試験を成功させました
今回の有人飛行試験には創業者であるリチャード・ブランソン氏自ら乗り込んでいったこともあり大変な話題となりました
打上げLiveはこちらから見られます。ロマンがありますね
特に54:00~からの切り離し部分はドキドキします
ヴァージンギャラクティック社に関しましては以前このような記事を書いていました
しかし状況は大きく好転してきている理解です
今後の予定としましては
同社は今後数ヶ月中に後2回の飛行試験を計画しています
そして2022年に商業宇宙旅行事業を開始する予定です
現在同社が提供する宇宙旅行の値段は$0.25M、日本円で2600万円ほどでして
現在は600人ほどの予約が入っているとのことです
また、競合他社を見ますとAmazon CEOだったジェフベゾスが
Blue Origin社の宇宙船で7/20に初の有人テスト飛行に入ります
こちらは$SPCEの飛行機とは違い、ザ・ロケットのような外観が特徴です
また到達高度も$SPCEが80kmだったのに対しこちらは100kmになります
組織の定義によって、宇宙は80kmからか、100kmなのかと違いがありますが
とりあえずこちらの方が高度は高いといったことになります。こちらも注目ですね
個人的な見解としましては
既に持っている$SPCE の株はそろそろ手放そうかなと考えています
今から新しく買いに入ることもありません
持っておくべき理由、たとえば宇宙旅行の1st Runnerである
といった素晴らしいものもあるのですが
デメリットもそれなりにある理解なので、ポジションは減らしたいです
宇宙ビジネスの市場規模を考える
衛星・ロケットなどでは凌ぎを削る企業らが
現在宇宙ビジネス全体は40兆円以上の規模があり
2040年代には100兆円以上に達成すると言われております
そのうち衛星テレビやラジオのような衛星サービスが40%弱です
SpaceXがもっているStarlinkがここです。かなりお金になることがわかります
地球観測は3000億円の規模ですね。宇宙ビジネスだと1%にもなりません
衛星による観測データ、船舶や気象データの画像を提供するサービスがそれにあたりSpireやBlackSkyが実績を持っています
これらの会社はロケットの打ち上げ自体はRocketLabに依頼しています
ここは重要なポイントです。打ち上げ自体は別の会社が行なっているんですね
ロケット製造、衛星製造はそれぞれ5000億円、1.4兆円の規模で
割合としてはそれぞれ1.25%, 3.5%です
この事業は垂直統合しやすく(ロケットと衛星を合体させやすく)
会社としてはAstraが最近有名です
RocketLabはロケット打ち上げ実績の他に’Photon’と名の衛星ロケットを打ち上げています
この5000億円の中の二大巨大プレイヤーがSpaceXやRocketLabです
Astraはどちらかというと小型で数飛ばして薄利多売を目指していくビジネスモデルで棲み分けしようとしています
後は宇宙デブリ除去のサービスや月面探査などの民間委託もありますが
最近は話題になっていない為割愛します
宇宙旅行は儲かるのか
一方で宇宙旅行産業は2028年に1.5兆円規模になるとも考えられております
そのうちバージンギャラクティックが提供するような低軌道での宇宙旅行は3000億円くらいと予測されています
世界の旅行産業規模は現在約970兆円と考えると
宇宙旅行は1%にも満たないのが現状です
今後どのように本産業が成熟していくかがポイントですね
なんせまだ、宇宙が安全な観光地だと感じられるほど同社や他の企業が安全神話を作れていません
昔、飛行機は落ちると言われていた時代がありましたが
それと同じで宇宙船が壊れるリスクが考えられており、宇宙観光を気軽にできる状態ではないです
また、このような中でどのように利益を出していくのかも難しい問題です
$SPCEが提供する飛行機の定員は6人です
年間400回の飛行が目標であることを考えると
1年で6*400=2400人が乗ることが可能で
$0.25Mが乗船料なので
年間約$60Bの売り上げになります(市場規模を上回っています)
これはかなり出来過ぎな試算であるとともに
こんなに頻繁に飛ばすことができるかが次なる大きな課題かなと言った印象を受けます
このような
旅客数が少なく
メンテナンスコストが高く
重大事故が一回起きたら吹っ飛ぶような
ビジネスモデルは、かつてのコンコルドを彷彿させるものがありますね
(コンコルドは他にも燃料問題とかあったのですが)
この点で購入してポートフォーリオに組み込むのが躊躇われる企業となります
買うにしても少量で短期の銘柄
$SPCEは保持していますが、完全に捨て金の認識です
宇宙は今ブームであり、話題先行で株価が乱高下します
しかし多くの企業は実績がなく
一部の企業は実績はあるが大赤字といった状態です
実績のない企業は$ASTRや$SPCEのこと
実績はある企業が$VACQや$SFTWです
これらの企業は今後も決算では酷い数字を連発していくと考えられます
決算の数字で売りの判断をされてしまう可能性もあるでしょう
当初の事業計画で発表したマイルストーンを期間内で達成できないこともあるでしょう
これらのことを考えると、長期では持ちにくいテーマであることは事実です
良いニュースが出て株価がぽん、と上がったのならば
それに伴って売ってしまうのも良い選択だと考えます
そして下がった時に入る、そんな遊びができれば嬉しい銘柄ですね
他銘柄への影響に注目
このニュースが$SPCEにどのように影響を与えるかが
一つ話題に上がると思われます
$SPCEはどうでしょうか。一時的に株価は上がり
現実売り(Sell the fact)が発生すると考えています**
** 7/12 23時追記
いやはや、まさかのアットザマーケットオファリングでした
これにより株価急落です
現金が欲しかったのはよくわかりますが
株主に対しての態度は良くない会社ですね
今後$SPCEとしての好材料は
-BlueOriginの有人テスト成功(もしかすると悪材料? )
-今年残り二回のテスト成功
が考えられます
ただ、今回のテスト・セレモニーがかなり大掛かりだったのに対し
残り二回のテストはどのように行われるかはまだ不明です
今回が人類初のお題目を掲げていた為に
もしかすると正解してもあまり盛り上がらない、、といった可能性も否めません
その為、個人的にはどこかで降りる予定です
むしろ本結果は他の宇宙銘柄にどう反応するかが注目ポイントかなと考えています
特に$VACQ(RocketLab)ですね
同社は有人飛行も範囲に入れたロケットの設計を始めています
本日のニュースに従ってこちらの株価は上がるのかなと想定します
そして、このようなGoodニュース に反応して株価は動くのか、動かないのかは
今後宇宙銘柄の動きの参考になりそうです