米国時間2021年9月30日にこんな発表がありました
Foxconn、これは台湾の会社でして鴻海科技集団が現地での名前です
生産拠点は中華人民共和国にもありますね
機械の組み立てなどを受注して行っている会社です
SwitchやPlayStationの筐体組み立てをやっている会社として
日本では有名でしょうか
最近だとAppleの組み立てパートナーとして圧倒的な立ち位置を維持しています
さて、発表の内容は
ローズタウンモーターズのもつ、オハイオ州の工場を買収するというものでした
フォックスコンからローズタウンへ資金を提供する代わりに
ローズタウンはEVトラックEnduranceの受注生産契約を得る
というものです
さらにEnduranceのライセンスも譲渡するかもしれないと言われていますが
現時点ではまだです
このオハイオ州の工場はそもそもGMが使っており
老朽化して使えなくなった工場をローズタウンが2019年に買収しています
それの譲渡となると現地は大変ですね
両者の思惑は
さて、両者の立場を考えてみましょう
RIDEはとにかくお金が欲しい
身も蓋もないですが、これです
前の決算はこちらでまとめていますが
RIDEは会社のゴタゴタが大きくありました
-予約受注数の水増し
-CEOの退任
-EV生産開始の延期に次ぐ延期
-CFOも退任
-財務状態がかなり危なく資金調達がしたい
これだけみると見るに耐えない状態ですね
特に最後の財務状態が大きく懸念されています
現金残高としては、$210Mがありますが
このままだと目玉であるEVピックアップトラック、Enduranceが量産開始できません
死んでいくことは間違い無いので
とにかく資金を調達し
EVピックアップトラックを生産開始する
これしか生き残る道はない状態です
今回工場を売却することで
自社での開発を諦め、資金を調達し巻き返しを図る
このような思惑が推測されます
フォックスコンは念願の米国EV生産拠点GET
さて、フォックスコンはEV事業本格参入を狙っていました
iPhoneで圧倒的な生産パートナーになったのと同じように
EVの生産パートナーにもなろうと目論んでいます
中国EV企業とも提携していましたが
こちらは事業が不調です
そのような中、米国でEV工場を作ろうとしていまして
もともとウィスコンシン州設立の予定でした
しかし交渉が難航したとのこともあり
ローズタウンモーターズの工場に白羽の矢を立てたということです
フォックスコンはFiskerのいう既存のEV企業も抱えており
こことローズタウンを提携させる目論見でしょうか
(同じEVでも片方はハブモーターという全く違うつくりなので
果たしてどうするつもりなのか、、)
このフォックスコンの問題は
実績が全然ないEV企業とばっかり組んでおり
実際に自動車が生産できる未来が全く描けていないということです
要するに、泥船同志の握手です
全く期待できません
RIDEの株価は一瞬上がったが下落
RIDEは株価が下落しました
その後地合いもわるく、ついに$5も切りました
俗にいうペニー株ですが、
RIDEとしてはもう終わりでしょう
生産拠点を手放してどのように生き残ろうと戦略を立てるのか
立て直しの道筋をしっかり立てるべきです
株は買わない
当然売りですね
実績のない自動車メーカーが
工場を売り払った後に一体何が残るというのでしょうか
たとえば実績のある企業が
ライセンスやブランディングを維持しながら
ファブレスにしていく戦略なら考えられます
NVDIAなんかはそのように合理的に運用している会社ですね
しかしこれはものつくりをしている企業として考えると。ある意味最終手段です
特に新興企業だと、現場と経営陣が近いところにないと
とてもでないですが、試作、修正、量産などうまくいきません
まだ製品をつくってもない中でこのような選択はするべきではないと思います
逆にいうとそれほどRIDEは追い詰められているということです
そのような企業の一発逆転を考えて株を買うのではなく
しっかりと来年、再来年も考えて株を買うべきだと思います
RIDEは来年生きているかわからない会社ですね