アストラ・スペース(ティッカーシンボル:$ASTR)が
2022年度第2四半期決算を発表していました
同社はロケットの打ち上げを代理で行っている企業です
2021/7/1にSPAC企業のHolicityと合併しNasdaqに上場しました
RocketLabのようなロケット打ち上げ企業です
違いとしては小型ロケットを数多く打ち上げることを目論んで上場してきたテンですね
RocketLabやSpaceXは月にいくような大型なものも開発しています
期待はされていたものの、蓋を開けてみれば打ち上げは失敗
株価も急落といったダメダメ企業です
さらに今年5月にこちらで発表があり
今のやり方を変えて少し大型の打ち上げも行っていくとのことでした
(Launch System 2.0と呼んでいます)
もともとこの企業は小さいロケットを多く上げていくことを目指していましたが
早速事業モデルが大きく変わってきているように見え
大丈夫か、と一言投げたいような状態です
悲惨な結果
プレゼンはこちらから
数字がなさすぎて判断がつきづらい、ダメなスライドです
2022Q2 | 結果 | 予想 | 評価 |
EPS | -31¢ | -20¢ | ❌ |
売上高 | $2.682M | $6.49M | ❌ |
売上高前年同期比(YoY)は比較対象がないのでNAです
なんと1Qより売上が減少しました
買収したアポロフュージョンからの売上が出てきております
2Qまでに合計103基の宇宙船用エンジンを売り上げています
打ち上げ自体は $2M
エンジンなど関連製品が $0.7Mです
現在4機の商業軌道打上げをしており2回が成功、2回が失敗の状態です
本業の方はあんまり芳しくないですね
そのほかアラメダ工場の拡張工事の完了と
$1Mの株売り出しが話題になりました
市場に株が増えることになりますので、株価は上がりにくくなりますね
さてこの企業、先述の通り5月に重大発表がありまして
現在全く違う打ち上げシステムを作り直そうとしています
そして、このLaunch System 2.0(最大600キロ搭載)の導入にリソースを割いており
現在打ち上げチームがいない状態です(衝撃ですが)
来年まで商業打ち上げを一切しない旨の発言がありました
また来年になっても打ち上げができるかは未定とのことです
これらのマイルストーンをカンファレンスで尋ねられていましたが
予定も応えられない、といった状態でした
ちなみにこのシステムを導入することによって
競合他社は小型ロケット開発会社ではなく
SpaceXになる、と豪語していました
この経営者は本当に現実が見えているのかと不安になりますね
エンジンの開発の方は継続とのことで
RocketLabとの違いを聞かれていましたが
性能が良い、と述べていました
信じるかどうか難しいところです
さらに2022年後半から資本支出削減
従業員増加の抑制
とのことで、死んでいく企業の典型のような動きをしています
株価は沈没
株価は最高値から-86.2%です
SPACで死んだ企業として$WISH, $RIDEなどありますが
それと同じような状態ですね
直近では+20%くらいになっていますが
これは地合いによるもので、買い推奨ではありません
終わった企業
宇宙開発バブルの一つとして生まれた企業ですが、もう終わりの企業です
最後はどのようになっていくのかを見届けたいと思います
ロケット打ち上げならRocket Labの方が確実に売上を伸ばしています
まだこちらの方が未来はあるかなと思います
それでもSpaceXには遠く及ばないので
この企業にも過信は厳禁です
バブルのうちは多くの企業が生まれ死んでいくということを
身を持って勉強できていますね
宇宙企業のストーリーに振り回されず、しっかり中身も見ていきましょう