Amazon が第2四半期決算を発表していました
最近のニュースとしては2021/7/5にCEOだったジェフ・ベゾスが退任して会長になったことでしょうか
現在はアンディ・ジャシーがCEOとなっています
いつの時代もカリスマCEOが退任した後は色々な問題の解決に腐心となりますが
アンディは非常に難しい舵取りを強いられていますね
直面している問題は以下のようなものです
1. ポストコロナ(とデルタ株ウイルス渦中)での経営舵取り
2. Walmartを超える売上高を2022年中に達成するマーケット予想の満足
3. 労働法違反問題
4. 民主党主導のAmazon解体問題
などなどです
1は世界の企業どこでもそうですが
2は達成して当然と思われているものであり
達成してもそれほどインパクトなく、失敗したときだけ打撃がある可哀想なものです
3はAmazon倉庫で度々話題になる、労働環境の悪さや監視への人権侵害、従業員のボイコットとかがあります
4はAmazonが巨大化しすぎたためにEC部門とクラウド部門など切り離すことを強制されるかもしれない問題ですね
4の可能性はかなり小さく、かつクラウド部門だけでも化け物のような成績を残しているので
そんなに心配は要らないのですが
モンスター企業なので、こういった悪材料もつきものなのは事実です
売上高とガイダンスでミス
詳細はこちらからどうぞ
売上高が予想を下回りました
EPS: $15.12 VS 予想$12.22 ⭕️
売上高: $113.1B VS 予想$115.07B ❌
売上高前年同期比(YoY): +27%
ちなみに2020年の前年同期比は +47%でした
いかにコロナ特需が強かったかがわかりますね
また、気になるオンラインストア(Eコマース)の売上高は以下です
$53.2B VS 予想 $56.71B ❌
前年同期比(YoY): +13%
AWS・広告事業はまだ力強く問題ありませんでした
AWSは前年同期比(YoY): +37% で大丈夫ですが
利益率が落ちていることが気になります。これはAzureも同様でしたが
ガイダンスも予想より下でしたね
第3四半期ガイダンス
売上高: $106.0~$112.0B VS 予想$118.62B ❌
売上高前年同期比(YoY):+10% ~ +16%
後、EUからデータ保護法違反で$890Mの罰金を命じられています
株価は大きく下落
株価はこれを受けて下落しました
-10%近くなので割と大きな下落です
直近一年のレンジ相場だった時代に戻ったように思えます
1年のチャートは以下です
株価の下落は他の同じような銘柄にも波及しています
$MELI
こちらは南米のEコマースの巨人です
$EBAY
世界中に出店できるEコマース企業です
決算良い$SHOPもだらだら下がっているのは気になりますが
Eコマースとその周辺全体に資金が入っていないように見えますね
ちなみに明暗が分かれた $SHOP と$AMZN の決算から見るに
モール型のEコマース($AMZN)からD2CすなわちDirect To Consumer($SHOP)へと
トレンドが変化している可能性があることは抑えておいた方が良いです
各社はAmazonに手数料払う必要がなくなりますから
これが本当なら重要な分岐点かもしれません
Amazon株を売るべきか
Amazonという企業は割と決算をミスする企業として知られています
どちらかというと決算をミスするというか、上手くまとめないというか
あまり投資家の方を見ていない企業ですね
逆の企業はFacebook($FB)ですね
こちらはとにかく決算をまとめてくる企業です
Amazonに戻りますと
ここ1年は新型コロナウイルスの影響で巣篭もり需要が大きくなり、決算も絶好調でしたが
2020年より前を振り返ると結構ミスしていることがわかります
例えば2019年第3四半期も以下のように失敗して株価が下落しています
EPS : $4.23 VS 予想 $4.62 ❌
売上高: $70B VS 予想68.8B ⭕️
4Q売上高ガイダンス → $80B ~ $86.5B VS 予想$87.4B ❌
さて今回の決算をどう解釈するかですが
Amazonの1番の稼ぎ頭はAWSといったクラウド事業、そしてサブスクリプションです
Eコマースは粗利が低いために利益が出にくいです
そういった意味で
売上高が落ちたにもかかわらずEPSが予想を上回った今回の決算は
ある意味不幸中の幸いだったかなと思います
今回の決算はAWSやサブスクの方は硬く推移していました
これら利益の厳選が脅かされているといったことは考えにくいです
これらがマイナス成長とかなった場合それこそ逃げ時ですが
まだそういった事態にはなっていない解釈ができます
株価はどうでしょう、先述の通りここ1年くらいずっとレンジ相場だったわけで
そういった意味だとEコマース事業の成長先取りは意識されし続けたきたわけです
なのでこのような事態が起こることもある意味想定通りでして
どこかで一服して買い直される機会は来るかなと思われます
問題は、それがいつなのかといった話です
第3四半期ガイダンスも売上高低めを提示していることから
Amazonは少なくともまだEコマースの低成長は続くと想定しているように見えます
つまり引き続き人々は街に出てAmazonを使わないシナリオですね
これが続くと、来年の第1四半期決算までは、苦しい時代が続くと想定されます
一方でデルタ株のワクチン接種者への感染ニュースも多く出てきており
米国はイスラエルのようにどこかで引き締めを図る可能性も十分にあります
その場合再びAmazonが早めに脚光を浴びる時代が早めに来るかもしれません
米国の感染者数・死者数と政策にも注目が必要ですね
決算ミスした企業とそうでない企業と
2021年に入り絶好調だった2020年とは違い、決算で失敗する企業が出てきました
例えばNetflix($NFLX)は第1四半期からミスをしており
今回もAmazon($AMZN)はミスしました
一方で良い決算を出している企業もまだ生き残っているのは事実です
GAFAMで言いますと
Google($GOOL)
FaceBook($FB)
が広告事業絶好調でクリアです
一方で個人データを利用したへの広告が今後どう規制されていくかで
不透明になる可能性あり
Apple($AAPL)
問題なしですが成長率鈍化と半導体供給の影響で徐々に怪しく
Microsoft($MSFT) はXbox等巣篭もり需要でマイナス成長になりましたが
トータルでプラス
などなどですね
決算クリアした企業は引き続き持っていきたいところですが
どうも、最近発表した企業の2021年後半の業績見通し悪さは少し危うさを感じます
あまりポジティブになりすぎず
現金もそれなりに持ちながら夏・秋相場に向かって行こうと考えている次第です
引き続き退場しないよう頑張りたいと思います