*この記事は古い記事です
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マリオット・インターナショナル (ティッカーシンボル MAR)が5/10に2021年度第1四半期を発表していました
結果はまずまずだったかなと思います
今後ある程度追い風が吹くとは考えられますが
如何せん世界のコロナワクチン摂取率が足かせになり
完全復活とはまだ程遠いかなといった理解です
一方でこの企業の利益を出す仕組みは徹底されており
このような状況下でもしっかり利益が出せている点は大きなプラスポイントですね
いつかは上がるだろう、といった心持でいられる銘柄です
詳しい結果は以下です
売上高 $2.32B VS 予想$2.36B ❌
前年同期比 -51%
EPS 10¢ VS 予想 3¢ ○
売上高は前年1~3月のまだ半分ですね。前年同期は$4.7Bでした
まだまだ完全復活には程遠いことが知られております
RevPARも減少
ホテル業界の決算は以下の数値を見ることが役立ちます
RevPAR(予約可能な客室の平均単価)ですね
以下のような計算ができます
平均単価 $121 前年同期比 -26%
客室稼働率 38% 前年同期比 -68%
RevPAR $46(=121*0.38) 前年同期比 -59%
これを見ますと客室稼働率の低下が大きく足を引っ張っていることがわかります
地域別ですとRevPARは 前年同期比で
中国で -38%
アジアで -68%
中南米で -65%
欧州で -86%
中東アフリカで -45%
となっています。
特に欧州・アジアで大きく足を引っ張った
=客が戻っていないことになります
なお、今回のガイダンスでは4月の報告がされていました
4月は前年同期比に対しRevPARが-50%だったと報告しています
1~3月が -59%だったことを考えると若干回復していることが実感できますね
ちなみに売上は北米が$1.7Bを占めます
純利益も北米だけで$100Mほど出しているため
北米だけのオペレーションで会社として利益を出せていることになります
なかなか恐ろしい経営手腕ですね
株価は下落中
株価は3月前に大きく上がりましたがその後高値を抜けられず低迷しています
高値がどんどん切り下がっていく、いわゆるLower High (ロウアー・ハイ)といった状態になっています
この状態だとなかなか新規にポジションは立てづらいですね
チャート的には、トレンドが転換するまで見送っておくのが教科書的かなと思われます
なおコロナ前は$140程度だったため
株価としてはコロナ前の水準を完全に回復しています
売上はコロナ前の半分なので
この状態の株価を高いと見るか、低いと見るかですね
どこかで入りたい
Marriottは今年の状態に対してポジティブだと言っていました
コロナウイルス・それによる合併症はワクチンの影響で確実に減っていき
ロックダウンの反動から旅行・ホテルの予約が増えるだろうといった見通しからです
この説は確かにそれなりの説得力があります
ロックダウン下ではAmazonやメルカドリブレのようなEコマース事業が大きく伸びた事実がありました
それと同じようにロックダウン解放・経済再開の下では旅行目的でホテル需要が増すかもしれません
一方で、マリオットのメインユーザーはビジネス客です
会社の出張で使うことでユーザーや会社に安心感を与えられます
また接待やお客さんを呼び寄せた時に使うことで、お客さんはその会社への信頼感は増すでしょう
"お客さんにこれだけのお金を使えるのだから、財務的にはしっかりしているだろう"
といった見栄の考え方ですね
そしてビジネス利用では今後100%、それ以上に利用者が戻るかはまだ不明です
なぜならZoom, Teamsといった遠隔会議ツールが大きく世の中に浸透したため
出張なんてお金かかるからしたくない、と考える会社がそれなりに出る可能性があるからですね
この説もそれなりに説得力があります
個人的にはコロナ後は一時的にビジネス利用者は増えるのでは、と考えています
顔を合わせることが大事だと考える企業も一定数いまして
とにかくコロナも終わったし一度直接会おうと考えるところがそれなりに多そうだからです
なので、私もポジティブに考えています
また先述のとおり黒字は出せているので会社が倒産することもまずないと思っています
これがカーニバルのようなクルーズ船運行会社だと話は別なのですが、ここのあたりが物を持たない経営の強みですね
なのでどこかのタイミングで保有していたいのですが
いかんせん今は株式市場の状態があまり良くないため
もう少し様子を見て、入れると判断した時に買いを入れたいと考えています