Fastly, ファストリー。ティッカーシンボルは$FSLYです
会社名はおそらくFast にly をつけたのが語源ではないでしょうか
2011年サンフランシスコ設立の会社でエッジコンピューティング技術を提供しています
5/6の決算が×だったため株価が大幅下落しております
今この瞬間では買わない方が良いと思われます
どんな会社なのか
FSLYはエッジコンピューティングインフラを開発・提供する会社です
エッジ (Edge)は端という意味です
FSLYは世界各地に多くの接続拠点を持っています
FSLYのサービスを利用する企業はこれらの接続拠点から、一番自分に近い距離の拠点（端）を使いインターネットを使います
またこれらの拠点は、それぞれ誰がそれらにアクセスしたかなどを記憶しており（キャッシュしており）
そのキャッシュを有効活用することでより早いインターネット接続を果たすことができます
例えばFastlyの拠点経由で一度Yahooにアクセスした場合
そのYahooの画像とかは拠点に保存されます
2回目からのアクセスは画像をわざわざYahooのサービスから呼ばなくても
その拠点の情報を使えば早く表示できる、といった具合ですね
この発想自体はネットワークを早くしたい2000年代から用いられてきました
なので新しいわけではありません
Fastlyはその拠点の改良を加え
従来の技術だと難しいとされていた、画像以外のコンテンツも拠点で速やかに提供することを魅力としています
例えばこれは広告などに利用できます
ネット広告は、今や必要不可欠なものですが
ユーザーのターゲットに合わせて表示しないと意味がありません
そのためにはユーザーの情報をサーバーに送り、サーバーがそれを計算して
ユーザーに適切な広告を決定し、配信するといった仕組みになります
Fastlyではそれを拠点で可能 = サーバーに送る必要がない = より早いコンテンツの提供が可能になる
といったことですね
競合他社はなんといってもAmazon Web ServiceのCloud Frontですね
後は老舗のAkamaiなどもいます
Akamaiは2000年代のドットコムバブル（インターネットバブル）を乗り越えた希少な企業ですね。実はYahooとかにインターネットを提供している影の王者です
決算内容は酷い有様
EPS: -12￠ VS 予想-11¢ ❌
売上高: $84.8M VS 予想＄85.1M ❌
売上高YoY: ＋35%
YoYが30%なのは、グロース株としてはきつい印象を受けます
他のグロース株は100%超えなどを出しているものが多いので
（昔良い決算を出したにもかかわらず下がった$AIはYoY20%で叩かれていました）
また、それ以上にガイダンス（時期見通し）もキツかったです
第2四半期ガイダンス
EPS: -19~-16¢ VS 予想－8￠ ❌
売上高: $84M ~ $87M VS 予想$92M ❌
2021年ガイダンス
EPS: -44~-35¢ VS 予想－37￠❌
売上高: $380M VS 予想$382M ❌
全体的にEPS、すなわち利益が出せなく赤字がまだ酷いといった有様です
とくに第二四半期ガイダンスEPSがあまりにもひどく、流石にこれでは買えません
株価は大暴落
株価は5日で$63から$41まで暴落しました
もし1000万円買っていたら300万円以上損をしたことになります。恐ろしいですね
また暴落直後は反発（デットキャットバウンズ）があるのが普通なのですが
この銘柄は反発具合が少なかったですね
半年で見てみますと全盛期が$117なので今は約1/3の価値となっております
お買い得といった意見もありますが、まだ買わない方が良いのかなと個人的には思います
個人的には買い出勤しない
先述の通りFSLYの競合はAWSやAkamaiといった超強力な企業たちです
またMSFTもそのうちこの事業に参戦してくると思われます
（MSFTはそんなに通信そのものには強くないのですが）
そのような強者たちがいる中で信頼を得て生き抜いていくためには
少なくともそれなりの戦略と実績が必要かなと感じます
しかし今回のような決算内容・そして来期の見通しだと
その戦略も実績も見えませんでした
そのためお金を預けるには信用に足りないかなというのが個人的な見解です
買いたくなったら、次・その次の決算でガイダンスの上方修正が出てから
そしてEPSが黒字転換したら（まだずっと先の話しだと思いますが）
検討しようかなと思います
とりあえずウォッチリストからは外しました。
次の決算くらいにまたみてみたいと思います。
良い銘柄は他にもいっぱいありますからね。
これにこだわる必要はないと感じています