Salesforce (セールスフォース、ティッカーシンボルは$CRM)が2022年度第4四半期決算を発表していました
Salesforceは営業管理システムをSaaSで提供しており、本フィールドで最大勢力となっております
またMulesoft, TableauやSlackの開発と運用も行っています
(買収によるものですね)
第3四半期の決算結果はこちらです。数字としてはよかったですが利益率の低下が気になります
今回の結果も同様に売上高は予想越えでしたが利益はだめでした
CRMの分野では完全な絶対王者となっていますが
今後の成長と相場の見通しを考慮しないと
この銘柄は買えないかなと思います
なおカンファレンスコールでマークベニオフ(CEO)がロシアによるウクライナ侵攻について述べていました
彼の祖先はウクライナからの移民だからですね
この話はとても痛ましかったです
結果は悪くない
詳細はこちらから楽しく見られます
遊び心くすぐる絵面は大事ですね
2022Q4 | 結果 | 予想 | 評価 |
EPS | 84¢ | 75¢ | ⭕️ |
売上高 | $7.33B | $7.24B | ⭕️ |
売上高前年同期比 +26%。
この規模で毎年25%以上の成長は立派だと思います
Subscription And Supports: $6.8B(+25%)
内訳は以下です。
Platformに関してはSlackが新しく計上されている状態なので比較は無意味ですね
総じて買収分を除くと少し物足りないようにも思えます
またガイダンスは引き上がりましたが微妙な結果でしたね
これは前回もそうでしたが少し悲観的な見方が続いています
FY23ガイダンス
第1四半期
売上高:$7.37~7.38B VS 予想$7.26B ⭕️
EPS: 93~94¢ VS 予想 99¢ ❌
通期
売上高:$32.0 ~ 32.1B VS 予想$31.78B ⭕️
EPS: $4.62 ~4.64 VS 予想$4.74 ❌
潜在的市場規模はまだ結構あるのと、既に契約済みで今後入ってくる売上も十分にあることから
売上自体の未来はまだまだ問題なさそうですね
四半期ごとの重要数字の移り変わりは以下がわかりやすいです
売上高はしっかり伸びていますね
Slackの分も入っているので当然といえば当然ですが
一方Operating Marginは下降傾向です
SaaSの企業はOperating Marginが出やすいはずですが
ここで大きく下がっているのは何かありそうです
同じように純利益率も低下しています
SaaS企業として同じようにAdobeでもあったことですが
規模が大きくなると利益率が下がって行ってますね
あまり企業としては良くない兆候です
なお売り上げの地域差としましてはヨーロッパ側の健闘がありました
ヨーロッパもコロナウイルスとの戦いは終わりを迎えてきており
インフレ封じ込めのフェーズになってきていますね
今後アジアでどこまで売り上げが増えるかが重要だと考えられます
(下図の通り日本韓国オーストリアニュージーランドくらいなんですよね、導入している企業が)
カンファレンスコールでもSalesforceタワーに人が戻りつつある、のような話を
マークベニオフが冒頭にしていました
今後の大きなM&Aの計画はなく
Slackと既存の製品との融合を進めていく方針だと考えられます
以下の絵もSlack中心の現れですね
この戦略が上手くいけばいいですが
そうでない場合、今の主力製品の売上成長鈍化に拍車がかかり
数字の見た目が悪くなってしまう時が来てしまうと思われます
ここ数回の決算はSlack計上による前年同期比を大きく見せることばっかやっていますからね
株価は下落
株価は決算を受けて下落しました。
二期連続で決算後の下落ですね。
長期で見ますと以下のようになってまして
去年の上げを完全に消し去っているような状態です
11月12月の天井からずっと下がっていく一方ですね
直近の底は$190なのですが、ここを下値の抵抗線と見做せるかどうか
暫く動きを観察しておく必要があります
他のハイテク株と同じく大きく下落局面なので
今無理に入ることはしないですね
ハイテク企業の定めを理解すること
ハイテク企業は相変わらず大きな下げが続いていますね
金利の上昇を織り込みに行っているので仕方ないとは思います
このような相場では買うべきではない銘柄のうちのひとつです
一方で、戦争が長引き不景気になってくると話は変わります
その場合再度金融緩和の必要性が議論されるようになり
金利が下がることになるので、それはハイテク企業にとってプラスとなります
このシナリオも考えつつ投資をしていきたいですね
なお米国での今年中のリセッション確率は20~30%と
ゴールドマンサックスは述べていました
今後米国での金利引き上げが行われていくのは必然ですが
それが何%何回になっていくかはニュースをよく見ておいた方が良いです
ウクライナ情勢を見ながら流動的になる、といったコメントが出てくると思うので
急にタカ派(引き締め加速)の発言や
ハト派(緩和継続)の発言が出ると
相場がギクシャクしがちです
腰を据えながらマーケットと向き合っていきたいですね