カーニバル・コーポレーションが3/22に
2022年第1四半期(12〜2月分)の決算を発表していました
ティッカーシンボルは$CCL です
同社はクルーズ船を持ち世界中を回るクルーズを提供する会社の第一人者です
クルーズ船を保持し、きれいにメンテし、動かす必要があるビジネス形態上
新型コロナウイルス騒動で一番大きくダメージを受けた銘柄の一つだと考えられます
それが故、まだまだ株価はコロナ前と比べてかなり低い状態です
逆に言えば伸び代は高いと言ったことになります
前回の決算はこちらでまとめています
数字は悪いが予約の積み重ねは順調、少しずつ運行も動いている
といった状態でした
ただ決算数字は外し続けているので黄色信号でしたね
決算結果は予測を下回る
予測をまたしても下回る結果となりました
もうずっと予測を下回り続けており、かなり危うい雰囲気です
同社の発表はこちらで確認できます
2022Q1 | 結果 | 予想 | 評価 |
EPS | -$1.66 | -$1.28 | ❌ |
売上高 | $1.62B | $2.26B | ❌ |
売上はまた少し伸びてきましたが
完全復活には程遠いことには変わりないです
当然オミクロン株の影響があります
前回の決算では、影響は一時的と述べていましたがやはり影響は小さくないです
乗船前の検査でどうしても陽性者が出てしまうことがあるとのことでした
ハイライトとしましては
顧客単価は強かった2019年に比べても7%以上高い
予約数は運行再開から過去最高
3月は75%の稼働率(11月で61%,8月に59%, 6月は39%)
100%以上の航海も40本以上
2023年に過去の水準に戻る予定(と言わないといけない)
2022年第3四半期でEBITDA黒字見込み
ロシアサンクトペテルブルク便からは撤退し4%くらいのキャパシティ影響
オーストラリア路線を5月から再開
などなどでした
ポジティブなことは言っていますが中身を伴っていない印象をうけます
カンファレンスコールでは燃料費の上昇が、2022年の見込みに対して
考慮されていないといったツッコミを受けていました
この点に関しては完全に同意です
なのでQ3での黒字化は難しいのではと個人的には考えます
株価は下落
株価は本決算を受けてやや下落しながら持ち堪えました
依然として公募増資しまくって株数がだぶついている状態なので
上がりは弱いかなと考えます
一年のチャートは以下です
上値抵抗線がいくつもあってとても買えるような形はしていないですね
今後も強く強く株価が上がっていくシナリオはなかなか想定しにくいです
良い決算が出て株価が大きく上がった後でしょうね、入るとするならば
新型コロナウイルス騒動はほぼ終わり
この銘柄は新型コロナウイルスの影響を大きく受け
リベンジ消費の対象となるようなものです
新型コロナウイルスの影響はほぼ終わり
この夏には旅行はもっと簡単にできるようになると予想します
これは今自分が欧州にいるからよくわかるのですが
一部の国ではもう完全に過去の話として COVID19は扱われています
街中でもマスクは一切しないし、狭いビアホールなどで大声で笑っているような状況です
もちろんこの状況は全ての国に当てはまるわけではないのですが
段々とこのような国が増えてくると考えます
米国はもう完全にマスク撤廃していますからね
このまま変異株が出なければ
新型コロナウイルスとの戦いは一回終わりと考えられそうです
しかしそれがカーニバルという銘柄の高騰を招くかというと話は別です
カーニバルは今は原油高といった大きな問題と立ち向かわないといけません
同社は確かに多くの予約を持っていますが
既に完了している予約に対しては
原油高を考慮していない料金で運行しないといけません
極論船を動かせば動かすほど赤字になる可能性もあります
これに対しては船内価格(食事など)を引き上げて対応していくと同社は述べていますが
これで原油高の影響を打ち消せるほど強いものではない印象です
現在はまだ船内消費は旺盛だからこれができるのですが
もし今後船内消費が控えめになってきたらいよいよ危ないです
ここに追い討ちをかけるのが原油高による個人消費圧迫です
米国ではイールドカーブが逆転*していることもあり
数ヶ月で不景気入りとの見立てがされています
*2年債の利回りが10年債を上回ること
実際インフレの波は大きく、米国で個人が車に乗って遠出することも減ってきそうです
そうなるとクルーズ船にせっかく乗ってもちょっとケチることは想像できます
このような状況下でカーニバルが予約をうまく捌いて収益をプラスにできるか
特に述べられている半年後の黒字化を達成できるか
ここが大きな注目です
その足がけとなる次の決算の数字が非常に大事です
これが良くなければもう終わりの銘柄になる可能性があります
もし買うなら、次の決算で素晴らしい利益を確認し
株価も大きく上昇したのを見てからでしょう
そのまま勢いに乗って黒字化、株価上昇イケイケが最もポジティブなシナリオです
私はそれに対して懐疑的なので
今後の行く末を心配しながら見守ろうと思います