ティルレイ、Tilray Incが2022年度第3四半期決算結果を発表していました
ティッカーシンボルは$TLRYです
同社はカナダの製薬および大麻会社です
2018年にNASDAQ上場した比較的新しい会社ですね
大麻市場は15兆円以上の市場と言われており、実は相当大きいです
日本だとあまり見ませんし、なんとなく忌諱されている方も多いと思いますがカナダではすでに大麻が合法化されており
米国の一部の州でも合法化されています
実際今私がいるプラハでも以下のような大麻ストアは結構見ます
なので、ヨーロッパや米国だと大麻は日本よりずっと身近なものであることを
理解しておく必要がありますね
EUですとドイツで医療大麻での20%以上のシェアのほか
ポルトガル・ルクセンブルク・マルタなどで大麻の合法化について議論していたり
フランス・スペイン・イタリア・イギリスなどは大麻を原料とする医薬品の規制について議論しています
今後数年以内にこれらの国は規制緩和されると踏んでおり
積極的に現地とパートナーシップを結んでいるように
ヨーロッパでの拡大に期待している会社が、このTLRYになります
一方で合法化が進んでいるカナダでは
競合他社が多くいたりする点で不安があります
大麻は簡単に栽培できて、容易に流通できると言われている為
圧倒的な差がないと競争でひっくり返される可能性があります
実際カナダでは価格を下げないと売れないという問題が発生しています
そのため同社は最近では多角化を進めており
以下のような米国のビール会社を買収しています
ビール事業は非常に好調のように見えますが
これらの買収が今後どう響いてくるかは数字を見て確認が必要ですね
前回の決算はこちらをご参照に
利益はでているが売上高はなかなか伸びないといった結果でした
決算内容は売上届かず
結果はこちらからも確認できます
2022Q2 | 結果 | 予想 | 評価 |
EPS | 9¢ | -8¢ | ⭕️ |
売上高 | $152M | $156.64M | ❌ |
売上高前年同期比+23%
売上はダメでしたが大きく利益は伸びました
経費削減が上手くいっていますね
大麻売り上げは$55MでしてYoYが+32%とのことです
他アルコールの売り上げ$20MでYoY+64% これは買収の数字が上乗せされた数字です
Wellness分野が$15Mとのことです
大麻でみると引き続きカナダのシェアが圧倒的ですが
先述の理由から値段
2024年終わりまでに売り上げ$4Bを目指すとのアナウンスがありました
かなり大きな目標ですが、どうなることでしょうか
Callでは予想の割合としまして
$2.5~3Bが大麻
$1Bが他のアルコールなどになりそう
といったことを述べていました
EUでの新規の大麻市場に対し$1Bほどの機会があるとのことです
成長に対して、例えば
カナダでTHC(大麻成分)を付与したお酒を提供したり
他の買収を行うことを述べていました
ドイツでの大麻成人使用合法化については2024年1月ごろを予想とのことです
合法化された場合、また価格競争に飲み込まれるとのCallでの指摘がありましたが
それに対しては慣れている、と強気の返事でしたね
先行者利益を積極的にとっていくとは述べていましたが、どうなるのか注目です
後Covid-19に対してもそれなりの言及がありました
北米ではもう終わったもの扱いなので珍しいなと思ったのですが
マスクをしていると大麻を楽しもうとする気がなくなる
マスクを外せばより大麻の消費は多くなる
とのことでした。なかなか面白い論理を展開する企業ですね
未来に対してはかなり楽観的だと述べていたため
この企業をどこまで信じられるかが本銘柄への投資のポイントでしょうか
株価は上昇
株価は決算発表後に高騰しました
ですが、その後はずるずる安になっており
上げを帳消しにしています
大麻は規制一本で大きく上がりも下りもする銘柄です
ギャンブル性が高いためあまり積極的に投資はしたくないですね
チェックはしますが投資対象にはして行かない方針です
波乱の決算シーズンへ
$TLRYの決算は大体トップバッターなのですが
これと$LEVIの決算が始まると決算シーズンがじわじわ始まることを教えてくれます
今週はデルタ航空($DAL)や金融系の決算が始まります
DALは本日なぜか急騰していましたが、利益はまだひどい状態のはずです
国際線の伸びの悪さと原油高によるダブルパンチで当然赤字転落のはずなのですが
今年中の通期黒字復帰の見通しが変わっていないのかなど要チェックです
米国内旅行のような飛行機の利用はすこぶる順調のはずなので
原油高により影響をどこまで受けているのかが注目です
しっかり数字を確認しながら魔の5~11月を乗り切っていきましょう