ハイプサイクル、ご存知でしょうか
ガートナー社という、主にITや技術に対し調査・コンサルティングをしている企業が作り出した言葉です
ハイプサイクルは下の図のような形をとります
縦軸がVisibility,視認性なのですが、要するに社会にどれだけ認知されているかを表します
横軸が時間です
この図が示すことは
新しい技術や概念は、生まれたあと少しずつ認知されていき(繁明期)
一度社会で大きくブーム、バズワードを作り出し(過度な期待のピーク期)
その後急激に冷める時期がある(幻滅期)
そして、ひたひたと再び社会で受け入れられていく(啓発期)
さらには話題にもされない”当たり前”となってる
といったものです
当然全ての技術がこういった動きをするわけではないですし
技術や環境によってブームになるのにかかる時間も、受け入れられていく時間も様々ですし
社会に適合する前に完全に消えていった技術も多いですが
一般論として、といった具合ですね
去年に出された日本での技術のハイプサイクルは以下です
なんとなく実感できる人も多いのではないでしょうか
去年、2020年は5Gが世間を騒がしていました
が、実際に少しずつ使われ始めて、幻滅期に入りつつあります
使える場所が狭い(適合範囲が狭い)、思ったより早くない等皆が考えて
”やっぱり4Gで十分だ”となりかかっているのが今の日本です
でもこれから数年をかけて通信会社は設備を拡大し
5Gが当たり前になっている世界を作り出していくはずです
また、数年前、2018年くらいにはAIが世間を騒がしていました
AIによって仕事は変わる、仕事の90%が機械に取られる、など言われてきていましたが
今2021年、その言葉を聞くでしょうか??
多くの会社はAIを取り入れるぞ!!など気合が入っていたようにも思えますが
結局頓挫したり、AIまがいのRPA(笑)を導入したりして済ませているのではないでしょうか
原因としましては
日本ではAIを使いこなせる・AIを知っている人材が少なかった
業務がAIに適合できなかった(AIの特性を生かしきれなかった。)
などが考えられます
なので今、日本でAIは幻滅期に近づいているのでしょう
でも、また長い年月をかけて仕事をAIに行ってもらう動きは活発化してくると思われます
その頃にはAIを使いこなせる・AIを知っている人も増えてきて
AIが大事だ!!のように叫ばれることは減るのでしょうが
例えば Microsoft のWordのように、業務の中で当たり前のように存在していくことが考えられます
図の一番右にいるフィンテックはもう大分社会に浸透してきましたね
バーコード支払い・通帳デジタル化・友人同士でのスマホ送金
5年前は笑われていたことが当たり前になっているように思えます
ハイプサイクルの加速
ここ数年で思うことは新技術が出てくる速度が上がったことでして
それによりハイプサイクルの動きも早くなっているように感じます
**米国での話に限ります
数ヶ月前盛り上がっていた技術がもう立ち消えたり
そう思ったら新しい技術が注目を浴びてたり
出たばっかの技術がもう物凄い資金調達して社会に浸透し始めたり
なんとなく速度の早い多産多死の時代になっているような気がします
この背景の一つとして
米国では低金利政策による金余りが発生し
ベンチャーやスタートアップに資金が集まりやすくなった状態になったことが推測されます
”金出してやるから面白いことやれよ、一発当たったら分け前よこしてな!”
のようなアメリカンドリームが多く転がっている状態ですね
またSPACが市民権を得てきたこともあり
財務状態が危うい企業でも良くも悪くも上場しやすい環境になってきた=資金調達がやりやすい環境になったことも要因の一つかなと思います
思い出されるのは20年前のドットコムバブルでして
この時も多くのハイテク企業が米国で誕生したと聞いていますが
同様に多くの企業が死んでいったと聞いています
そしてその生き残りがAmazonやApple, Googleなんですよね
投資対象なら幻滅期のもの
このハイプサイクルは株価にも同じように当てはめられると思います
以前IPOしたての企業は買わない方がいい記事を出しましたが
やはり上場後は市場のふるいにかけられ、そして一度は出鼻を挫かれる企業が本当に多いです
そして買うならこのような、出鼻を挫かれている、でも未来は明るそうな企業の株です
ここでいう"未来は明るそう"は好決算を出す、によって判断しようと思います
例えば$AIは AIブームにより買われまくりましたが今は最高値の1/3ほどの株価です
オワコン笑 と蔑まれております。まさに幻滅期ですね
でも、個人的にはそんなに悪くない企業だと思います
確かにYoYはグロースとは思えないほど低かったですが、徐々に売り上げを伸ばしていければまた株価も上がる企業だと信じています
今まさにEV、クリエネはブームから幻滅期に向かっている最中です
その中でTeslaは頭一つ抜けていますね。
Teslaの幻滅期は、数年前に全く工場が動けていないと衛星写真殻暴露された時だったかなと思います
だからこそ皆Teslaに投資するのですが、、
EVでいいますと
SPAC上場したRIDE(ローズタウン モーターズ)も今まさに期待から幻滅の時期を経験している企業です
日本時間明日早朝に社運をかけたレースがありますので
そこで幻滅期からの脱出の一歩を踏み出せるのか
そのまま転がり落ちていって消えるのか
見所です
他にも数年前に流行った技術、企業の株価・決算を見てみると面白いと思います
代替肉の $BYND
NoSQLの $MDB
5Gの$QCOM
これらは世間にじわじわ浸透していくことで株価が再度上がっていくシナリオが考えられます
このように、数年前に流行ったものを見返してみるのも面白いのではと思います
仮想通貨ブームも同じかもしれない
仮想通貨ブームも同じことが言えそうです
例えばBitCoin, Ethereumは幻滅期を経て復活しました
イーサリアムのチャートは以下です
もしこれから仮想通貨で一発当てようというなら例えばIOSTがチャンスかもしれません
IOSTはBitCoin, Ethereumの次のプラットフォームと言われております
今後どこまで市民権を得るかはわかりませんが一回幻滅期を超えて今まさに伸びようとしております
この伸びはコインチェックがIOSTの取り扱いを始めたことが大きいと思いますが
今後、他の取引所が扱い始めたらより値段が大きく跳ねることが予測されます
仮想通貨も例えばビットコインETFが認可されたら次はイーサリウムETFが同じように認可される、、
このように世間に認められていくことでじわじわと価値を伸ばしていく可能性があるのです
意外なところに投資のチャンスは広がっているのかもしれませんね