資格取得の話です
2021年にPMPを取得しました
PMPはアメリカの団体であるPMIが発行している資格です
PMPは2021年1月に傾向が変わり
アジャイル に即した問題がかなり多く(体感半分以上)なりました
さらに日本では2022年?にPMBOK第7版に準じたテストに変わると噂されています
つまりPMBOK第6版で勉強している人はタイムリミットが迫っているということになります
PMBOKの改訂は今までの常識がひっくり返るレベルでの大きな変更なので
もし今手をつけているならば、早めに取得することを推奨されるのではないかと思われます
本ページでは2021年での取得にあたり役に立った参考書4選を並べてみるので
気になった方は試験が大きく変わる前に受けてみてはいかがでしょうか
私の業界ではPMPがないと受けられない案件も多々あったり
特に転職サイトではPMPを取得してから明らかにエージェントの食いつきっぷりが変わった印象を受けます
申し込むことさえできれば、受かるのはそこまで難しくない試験なので
挑戦してみる価値は大いにあるかなと
今回は役に立った本を紹介しますが、
どこかであまり役に立たなかった本も紹介します
合格へ最短距離で行くなら以下の4つが良いかなと思っています
1. プロジェクトマネジメント知識体系ガイド PMBOKガイド 第6版(日本語)
プロジェクトマネジメント知識体系ガイドです。
王道ですね。原点であり、PMPの全てでもあります
通称PMBOKガイドです。教科書でありますが、扱いは参考書です
1000ページ近くあるので上から順番に読んでいくと割と高確率で挫折してしまいます
あくまで使い方としましては他の問題集をこなしていく中で
出てきたプロセスやコントロール群の知識をこの本でさらにインプットする
といったものが良いかなと思います
日本語か英語か、といった疑問がよく出るところですが
PMPの知識体系に触れると言った意味では個人的には日本語で十分かなと感じています
この量の英語の文章の本は、かなり精神的に辛いものであるのと
PMBOKの英語はほんの少し読みづらい(2でおすすめしているリタ本と比べて)です
日本語で、常に自分の理解できる言葉でそばに置いておくことで
知識のよりどころというか、防衛線というか、そんな安心感を持った使い方が良いかなと思います
PMPの勉強で最初にこれを読むのはちょっときついので
まず最初に触れる、と言った方は3でお勧めしているPMP試験合格虎の巻 第6版対応 が良いです
2. PMP Exam Prep: Accelerated Learning to Pass the Project Management Professional (PMP) Exam
通称リタ本です。著者がRita Mulcahyさんの名前からこう呼ばれています。PMBOKの各知識エリアとその解説・そして例題が中心の本です
リタ本は巷ではPMP最強の試験対策本と言われており、世界的に最も使われ、高い評価を受けている参考書・問題集です。現在で第9版となりますね。
PMBOK以外に一冊だけお勧めを選べと言われたらこれを選択します。それほど圧倒的にお勧めです
私はこの本をメインに勉強していました
元々9000円くらいするのですが、最近は半額近くに値下げしているので結構お得ですね
最大のポイントは以下でしょうか
1. 単なる暗記問題ではなく、PMP本番の問題のようなPMIイズム(PMIのPMPに対する考え方)を問う問題が非常に多い
=PMP本番の試験のような、(理想はこうだけど)現実はこんな問題が起きている、どのように対処する?といった考えを身につけられる
2. 問題数が1000題くらいと非常に豊富
3. 各プロセスのつながりの理解が重要視されており、まる暗記だけのための本ではない
4. 当然暗記しないといけない箇所はあるのでその箇所はピックアップされている
=暗記自体は最低限に抑えられる
日本の参考書の多くは
知識の暗記と、それを聞く問題が多いのですが
(この作業はどのフェーズか?とか)
本番の試験ではそんな問題はまず出ません
本番では、このフェーズでこんなことをしているが、こんなトラブルがおきた、あなたならどうする?
といった問題が大半ですので、実際の問題と日本の参考書の例題はまだ大きなギャップがあるのが事実です
(逆に言えばこれを知れば一気に合格に近づきます)
これが日本人のPMP取得が難しい理由の一つだと言われていますが
リタ本を使えば一発対応できます。絶対に読んでおきたい参考書です
欠点は全て英語で書かれていることなのですが
PMPの試験申し込みができた人なら問題なく読みこなせる内容です
大変わかりやすい英語で書かれており、ノンストレスで理解できること間違いなしです
個人的にもこんなにわかりやすい英語の参考書は初めての認識です
おそらく世界中の人々、すなわち英語が得意でない人々を対象にしているからですね
また試験本番でも
問題文の日本語訳が何いっているかわからないことがしばしばあります
さらに恐ろしいのは誤訳が多いことです
例えば2つの異なるプロセスであるManage QualityとControl Qualityが、試験画面上の日本語ではどちらも品質のコントロールと翻訳されていることがあったりします。衝撃ですよね
このような問題集で英語での言い回しを理解しておくと
本番で試験問題の英語文章を見た時に、あ、このこと言ってたんだな
と理解することができます
(これが試験本番では非常に重要なテクニックになります。
PMI自身も試験の言語は英語であり、第二言語はあくまで補足的な役割であると明言している為、日本語だけでの試験は大きなハンデがあるのです
日本人のPMP取得が難しいと言われている理由その2です)
そのため、PMP独自の英語に簡単に触れておくといった意味でもかなりお勧めになります
個人的にはこの本のおかげで、合格に大きく近づいたと感じております
もし一度受けて不合格になってしまった方がいましたら、是非この本を手に取り勉強してみることをお勧めします
本書で言っていることがわかれば絶対に合格できます
3. PMP試験合格虎の巻 第6版対応
PMP試験合格虎の巻 第6版対応 です
PMPの勉強を始めるという方はこの本からがお勧めです
内容としてはPMBOKの抜粋ですね
広く浅く内容が描かれている為、まずこの本を読んで
ほーん、こういうプロセスがあるのね
この場合はこんなことするのね
といった文言の理解と大まかな流れを把握するのに最適です
ただ、問題集の問題は知識を問うものが多く
ある程度のレベルに到達したら、物足りなくなるかもしれません
一方でPMBOKやリタ本と比べてサイズが小さく、重くない為
通勤の時間や外出先でちょっとみて勉強するのに最適な本ですね
内容もコンパクトに纏まっている為、試験直前の見直しにもこの本が良いかなと
日頃の持ち運びにGoodな一冊です
4. アジャイル実務ガイド (日本語版) (Project Management Institute)
アジャイル実務ガイド (日本語版) (Project Management Institute)です
2021年からアジャイル に関する問題が半分(と謳っていますが実際は半分以上)でるようになります
PMBOK第6版ではこの内容に細かく触れられていないので
やはりもう一冊参考書が必要になります。
その場合はこの本でアジャイルに関わったことがある人もない人もアジャイル実務ガイドで一回知識体系を身につけておくことをお勧めします
アジャイル実務ガイドはPMIが実際にAgileAlience という団体とコラボして出した本で、準公式ガイドブックの位置づけです
PMIのHPでも、これを読みなさいと述べられているので、間違いはないですね
この本はアジャイル の知識に触れるだけでなく
従来のウォーターフォール型とのハイブリットなど共存について述べられていたり
実際にアジャイル を行おうとする上で起きる課題と解決(=PMP本番試験でよく出る問題)に触れられており
本番のテストでも大変役だった印象です
アジャイル自体を本質的に理解するものではありませんが
PMPの試験としては十分に戦える一冊になっているかなと
そして繰り返しですが
実際の試験で問われるのは、困っている時にどうするか、です
特にアジャイルだと以下のような箇所がポイントになります
開発メンバーにアジャイル 経験者が少ない(いない)
顧客がアジャイル を理解していなくてクレームされた
このPJはアジャイル でやって行った方がいいの?
などです
こう言った切り口で参考書を読みながら
実際にどう行動するのが正解かを考えていくのが良いかなと思います
どういった考え方で行動すべきかはリタ本の思想を流用できるので
この二つの本を往復しながら、知識だけでなく考え方を身につけることが重要かなと思います
それぞれの参考書を利用した勉強の流れ
大まかな勉強の流れとしましては
PMP試験合格虎の巻 第6版対応 を一周
読んでいてより深く知りたい箇所はPMBOKガイドで知識吸収
-> アジャイル実務ガイドでアジャイルに関する知識を補足
-> リタ本をとにかく読み込み、練習問題をこなす
確認したい箇所はPMBOKガイド、アジャイル実務ガイドで再度確認
-> 外出先や通勤では虎の巻で知識の再確認。テスト当日もこれで確認
これだけです。配分としましては
虎の巻 5%
アジャイル 5%
PMBOK 10%
リタ本 80%
でしょうか
2ヶ月、毎日2時間勉強したとすると
2*30*2= 120時間なので
リタ本におよそ100時間くらいかけていたことになります
ただ、これが正解でした
実際のテストではリタ本のような
困っているシチュエーション(PMPの問題ではいつも誰か困っている)で
あなたはどうしますか?を問う問題が大半でした
しかも選択肢は、場合によっては全部正解になりそうなものが多いです
その中で、PMIとしてはどれが一番最適かを1分で判断していかねばなりません
これはリタ本をこなして、PMIの考え方を脳内に浸透できたから
反射的に回答を選べるようになっていたからだと思います
(逆に知識が足りなくても、なんとなくこの行動が正しい気がする、、で正解になります)
リタ本問題1000問は全部やらなくて良いので
こんな感じの行動が答えなんだな、と把握できたら
一気に合格に近づくと思います
逆にそれが把握できずにテストに向かうと本番で
問題に対して答えの全部正解やんけ、、、答えを一つだけに絞れん、、
とフリーズしてしまう危険性があります
それほどお勧めなので是非ともチェックしていただければと
今後もPMPの記事は書いていく予定です
PMPは海外のお客さん受けが良い(というかないと土台に上がれない)ため取ってよかった資格です
試験が大きく変わる前に取得できるよう、参考になれば幸いです