スターバックスが2022年度第3四半期決算を発表していました
同社は世界的に有名なコーヒーチェーン店を経営している会社です
日本でも熱狂的なファンがいたりしますね、ブランディング能力は特筆すべきものがあります
コーヒーに力を入れているというより
スターバックスでフラペチーノを飲む
あるいはそれをインスタにあげる
といったような体験に力を入れている企業です
飲み物自体は値段に対して美味しいとはとても言えない企業ですが
それでも圧倒的な知名度とブランド戦略は見事な会社です
海外だと、暑い中歩き回った後にあるとよく入ります
味がある程度似ているので安心できる、のような
マクドナルドに似た効果もありますね
結果は良い
数字自体はよかったです
細かい結果はこちらに載っています
2022Q3 | 結果 | 予想 | 評価 |
EPS | 84¢ | 75¢ | ⭕️ |
売上高 | $8.2B | $8.11B | ⭕️ |
売上高前年同期比 +9%
昨今のインフレ事情を考慮すると、トントンと言った感じでしょうか
特に北米、とりわけ直営店では大きく数字を伸ばしました
一方で上海でのロックダウンなどの影響もあります
中国ではオフィスへの人の回帰がまだ進んでいないこともあり、この点はマイナスでした
日本は世界で第3のスタバ市場規模なのですが
ここは最も好調だったとコメントありです
(2位は中国で店舗数は3倍以上です。米国は中国のさらに3倍です)
営業利益は前年同期比-13%でして
インフレ対応のための賃金上昇
原材料費高騰
ロックダウン関連の経費
などが挙げられます
米国だと新型コロナウイルスは過去のものとなっていますが
その時に大きく需要が出た以下のような特徴は継続とのことです。面白いですね
’特に郊外のエリアでのドライブスルー、あるいはデリバリー’
要するにスタバ片手にオフィスで仕事する人は減ったかもしれないけど
ドライブスルーやデリバリーで家や外で楽しむ人はコロナ以降も増えている
ということです
これによって今回の四半期で予想を超えたと言った旨の発言がありました
一方で午前中に買う人も増えているとの情報がありまして
オフィス用にコーヒーと食事を買う人がコロナ以降緩やかに回復しているとのことです
カンファレンスコールでは
顧客の購買意欲の低下は見られないといったコメントがありました
スターバックスに行ける層は中所得以上(ホワイトワーカー)ではありますが
彼らはインフレの影響でコーヒーを飲まなくなると言ったことはしていない模様です
また、スターバックスはStarbucks Rewardといったプログラムを展開しています
この会員になるとおかわり自由(米国だと何杯でも自由)など
さまざまな特典があるのですが、それの会員数が最大になりました
会員は急に解約するとも思えないため、インフレ下でも購買意欲は強いのでは、といった予想があります
後、Z世代へのアピールも今まで以上に積極的に行っていくということです
この発言は他のB2C企業でも多く見られます
彼らが消費の中心になってきましたね。老人がターゲットの日本とは大きな違いです
今年度通期だとガイダンスが据え置きです(詳細なし)
次第4四半期では中国の影響、本四半期の特別要因や季節性もあり少し厳しくなりそうです
来年度の見通しは9月のInvestor Dayにて発表とのことです
こちらも注目ですね
株価は上昇後売られる
株価はこれを受けて上昇しましたが、次の日は地合いもあって売られました
過去最高値からは-28%となっています
5〜6月に底となってじりじりと上がっていく展開ですね
多くの銘柄と同じような動きをしています
現在の価格は新型コロナ騒動以降の上げを帳消しにしたような状態です
ここからまた這い上がれるかがポイントです
ただ、上昇できるかどうかは利上げが大きく影響あります
企業成績云々ではない理解ですね
確固たるブランドの先は
スターバックスは新型コロナウイルス騒動の時に株価を大きく落とした銘柄の一つです
ですが、その後はデリバリーやドライブスルーにも積極的に投資していき
今はその影響は(中国を除いて)大きくない状態です
売上自体は米国の次が中国に大きく依存している状態なので
その意味だと少し不安定(何が起きるかわからない)銘柄です
米中の関係も非常によくないのは事実なので
また、店舗を抱えて人を雇ってサービスする形態である以上
インフレの影響も受けやすい企業であることは覚えておきましょう
これらを踏まえて考えてみると今は特に買う必要がない銘柄かなと思います
最近の株価上昇はある意味米国の多くの企業でも発生している状態でして
特にこれといった大きな買いポイントがないです
配当利回りは2.26%、配当指向は50%でして
配当をもらいながらダラダラと株価の上昇を待つのは一つの手ですが
少しそれも中途半端かなと考えます
(どんな企業であっても個別銘柄への長期投資は危険です)
インフレへの対応、そしてZ世代へのブランディングなど興味があるところはありますので
今後もチェックしていこうかなと思います