GoodRx, ティッカーシンボルは$GDRXです
処方箋の価格比較アプリを提供しています
処方薬が必要なユーザーに対し
位置情報から近くてクーポン使うと最も安い薬局を見つけ出すサービスですね
去年にIPOしたものでは珍しく黒字上場した銘柄です
人が街に出て薬局に向かうことを不可欠としているビジネスモデルなので
アフターコロナ銘柄としての色もあります
なお前回の決算結果はこちらにまとめています
決算結果は良し
決算は4~6月の内容です
詳細やグラフはこちらから引用です
こういった結果がわかりやすく表示されているところは好感ですね
EPS: 7¢ VS 予想 1¢ ⭕️
売上高: $176.6M VS 予想 $174.60M ⭕️
売上高前年同期比(YoY): +43%
ただ去年の第2四半期は極端に成績が悪かったため
YoYの数字だけ見て過度な期待は禁物です
注目ポイントとしましては、特にサブスクの契約数が大きく上がっています
Monthly Active Consumers: 6,002K(YoY +36%)
Subscription Plans: 1,051K(YoY +86%)
サブスク全体の売上は見事な右肩上がりです
ただ、これだけだと売上の1/10以下です
この割合をもう少し増やして欲しいですかね
アプリを通じた処方箋の購入による売上は以下の推移です
こちらが売上の8割以上ですね
グラフを見てわかるように
去年の第2四半期は新型コロナウイルスの影響で大きく落ち込んでいることがわかります
今回のYoYはそれとの比較ということですね
第3四半期ガイダンスも良しです
売上高: $193M ~ $197M VS 予想 $195M ⭕️
数字としてみると全体的に良い結果になります
株価は爆上げ
ここ1ヶ月で+23%です。市場からは好反応かと思われます
GDRXは決算後二回連続で大きく上がっています
IPO株は上場値を往々にして越えられないので長期で見てみることも大切です
まだまだ上場値の回復には程遠いことがよくわかります
買うならPBMのリスクの理解を
ビジネスモデルを再確認しておきましょう
現在売上の8割を占めている処方箋の購入による売上ですが
以下のようなフローで収益を上げています
ポイントはPBMからお金をもらっていることです
PBMは薬の商社といったイメージです
主な会社は CVS Health($CVS), UnitedHealth(UNH)などです
製薬メーカーと価格交渉し値引きを引き出し
それを保険会社などに下ろす役割を果たしています
(米国では国民皆保険ではないため、各自が必要に応じて保険に入ります)
GDRXはその値引きされた処方箋の値段を集めて
顧客に情報提供しているわけですね
つまりPBMの動向に極めて大きな影響を受ける会社です
PBMが安い処方薬を仕入れてそれを放出することをやめてしまえば
GDRXも安い処方箋の情報を顧客に届けることができず
あっという間に危機に陥ってしまうわけです
そして米国ではしばしば
この中間業者(PBM)のマージンのせいで
処方箋の値段が必要以上に高騰している
といった批判がでています
一例としてはPBM最大手であるCVSが
$6で薬を仕入れて$198で販売していた
の記事などがあります
処方薬はその特性がゆえに顧客が直接購入は難しいため
多くがPBM経由での購入になり
顧客から見るとPBMが価格を牛耳っているように見える
ということですね
GDRXの株を買うということは
このPBMの問題を許容することと同じことかと考えます
PBMと共に死ぬ覚悟が必要ということですね
GDRXは悪決算続きだった
GDRXはIPO直後からずっと決算が悪かった銘柄です
特にIPO直後の企業は決算に対して厳しい目で見られるのが一般的です
しかしGDRXは2020年度Q2,Q3,Q4, 2021年度Q1とずっと失敗している企業です
(前回のQ1は見方によっては決算悪くない見方もできますが
今回のようにどこから見ても良い、八方良しの状態ではなかったです)
それが今回の決算だけで買える企業と思えるのは少しハッピーすぎる気はしています
今回の株価の動きを見ますと決算後に大きく上がったのは事実ですが
まだもう少し株価と決算は注意深くみる必要があると感じます
さらに第2四半期のYoYは2020年度コロナウイルスロックダウンの影響をもろに受けて
大きく凹んだ数字との比較であることも理解が必要です
買うなら次の決算も良く、YoYでも大きく伸びていた場合ですかね
それと共に先述した、PBMのリスクも十分に理解した上での出動が不可欠です
アフターコロナ銘柄として面白いかもしれませんが
IPO銘柄なら、他にも良い決算出し続けているものもある理解なので
そちらを物色したほうが勝率は高いかなと感じています