クラウドストライク、CrowdStrikeが2023年度第1四半期決算を発表していました
同社はセキュリティのイノベーターとして
PCやスマホ、サーバーなどのエンドポイントに対するサイバー攻撃から守る
サービスをサブスクリプションで提供しています
また、遅めに決算を出す銘柄ですね
CRWDの決算が終わると決算シーズンもひと段落かなと思います
また来月中旬くらいから航空や金融銘柄の決算が始まりますが
それまでの間はせいぜいNIKE, CCLくらいしか見どころがないかなと考えています
本銘柄は新型コロナウイルス禍で大きく伸ばした銘柄です
このような銘柄は例えば他には$ZM, $U などあるのですが
利上げが始まってからグロース銘柄の宿命として大きく株価は下がっています
またそのような銘柄は往々にして決算も失敗することが出てきて
結構風当たりが強いのが最近です
その中$CRWD は見事なスーパー決算を続けています。素晴らしいですね
今回もまたその通り立派な決算でした。ただ株価は下落しています
ただ時勢が時勢なので買い時はまだ当分来ないですね
立派な会社なので今後どうなっていくかしっかり見守りたいと思います
なお前回のスーパー決算はこちらです
数字は良し
プレゼン資料はこちらから参照できます
一部抜粋しています
結果は以下です
2023Q1 | 結果 | 予想 | 評価 |
EPS | 31¢ | 24¢ | ⭕️ |
売上高 | $488M | $465M | ⭕️ |
売上高前年同期比(YoY) +61%
超高成長は継続中です
利益がしっかり出てきてるのですが
これはマーケティングに関する費用が減らせているとのコメントがありました
つまり積極的な売り込みをしなくても、向こうから問い合わせがあるような状態で
この状態の達成は見事です
同社の売り上げのほとんどはサブスクです
サブスクリプション売上高: $405.4M
前年同期比: +64% 徐々に減ってはいますが、立派な成長です
サブスク顧客数も順調に伸びています
SaaS企業なのでここが鍵になりますね
この数字は17,495件となりました。YoYで+57%と減速が顕著です
Fortune 100のうちの顧客数
Fortune 500 のうちの顧客数
20のTop銀行のうちの顧客数
これらは前期と変わらずです
大口の顧客をしっかりと抱え込んで離していない点は高評価です
他Cloudflareとのパートナーシップ拡大や
米国国防省からのインパクトレベル4の認可
ガートナーレポート、Market Share Managed Security Services Worldwide 2021での一位獲得
ドイツ連邦セキュリティ局からの推奨など
さまざまな場所で影響を発揮してきています
ARRも伸びています
Annual Recurring Revenueの略ですね
定額収入の年間積み上げです
サブスク企業なので、この数字が非常に重要になります
継続して来年もこれくらいは売り上げが出るだろうと言える指標になりますからね
YoYで+61%です
徐々に数字は減って行っていますが、それでも右肩上がりの綺麗なグラフだなと思います
NRRも重要な指標です
Net Retention Rateの略でして
同じ顧客が前年と比べてどれくらい課金をしたかを表します
+100%だと去年と全く同じ額を払っている、と見ることができます
なんとまた底からの這い上がりを見せています
要するにお客さんは$CRWDにどんどんお金を注ぎ込んでいるということです
CRWDには色々なモジュールがあるのですが
一つ導入したらまたもう一つ、もう一つといった感じで
どんどん導入して行っているといった様子です
これがサブスク収入の強いところですね
ガイダンスも当たり前のように引き上がりました
2023年度2Qガイダンス
売上高: $513M~$517M VS 予想$510M ⭕️
EPS: 27~28¢ VS 予想24¢ ⭕️
FY23通期
売上高; $2.191B~$2.206B VS 予想$2.15B ⭕️
EP; $1.18~$1.22 VS 予想$1.1 ⭕️
色々決算が転けていく企業が多い中
しっかりと数字を出せている点は非常に好感です
ただ、ウクライナ戦争の影響でセキュリティの重要性はさらに見直されてきているはずですが
意外に数字には反映されておらず、カンファレンスでも言及がなかったです
ここは個人的な予想が外れた箇所でした
もしかしたらすごい良い数字が出るかもと思っていたので
改めて自分の思い込みには注意だと感じました
カンファレンスコールでは
引き続き強い追い風が吹いているとの発言から
良い業績は継続できそうです。良い決算は続けてほしいですね
株価は下落
株価は下落しました
この銘柄は決算後売られることがほとんどです
今回もその例によらず、といった感じでした
ただ、雇用統計が良かったことによる
強い金利上昇が懸念された可能性もありそうです
地合いが良くなかったかもしれないですね
長期で見ると以下でして
グロース銘柄としては耐えている方ですがそれでも-40%超えています
底が抜けているのでチャート的には買いにくい展開になっているなと思います
素晴らしいポテンシャルと実績がある会社なのは認めますが
PERが高すぎたので調整が入っている感じは否めません
買い時は当分先
クラウドストライクは本当に素晴らしい企業です
2020年の大相場でも大変儲からせてもらいまして
個人的にも非常に気に入っている銘柄です
またセキュリティの分野は今後もかなり重要視されていくわけで
そのイノベーターであるCRWDは最強の企業といっても過言ではありません
自分自身の仕事に近い部分もあり、本当に本当に好きな企業です
それほどまでに惚れこんでいますが、この企業の株は買いません
クラウドストライクだけでなく
ここ数年でIPOしたようなテック企業の株は今年に入って何一つ買おうと思っていません
そして多分今年いっぱいは買わないと思います
来年も買おうとは思っていないです、今はまだ、ですが
今の金利上昇、QTの状態では
2020年2021年と同じように手を出せる状態ではありません
インフレが治るまでは金利を上げたりQTをしたりが続く認識なので
グロース銘柄に対する逆風はまだ終わっていないと思っています
つまり今ここが底値だとは全く考えていません
また10年後20年後の未来を見据えて
ナスダックのグロース銘柄を今のうちに買っておいてホールドする人もそれなりにいる理解ですが
私はそれにも懐疑的です
買ってしまった以上売ることしかできないのが投資なので
不足の事態に対応しづらいんですよね
その分の現金拘束によるデメリットの方が大きいと今は思っています
たしかにCRWDのようなハイテク企業は将来的なGAFAのような大物になる可能性もありますが
GAFAになりそこねた有象無象の企業もいることを忘れてはいけません
CRWDも決して10年20年と安泰な企業ではありません
やたらこの銘柄を10年ホールドなど述べている人もいますが
そう思い込んで惚れた銘柄を持ち続けることはとても危険なことだと
個人的には感じます
キャッシュの割合が増えてきた
だいぶキャッシュの割合が増えてきました
インフレが続いているので
文字通り現金の価値は無くなってきています
レイダリオ先生の有名な言葉に cash is trash といった言葉があります
現金はクソだ、という意味ですね
(キャッシュとトラッシュをかけた啓蒙なので
実際には現金は厳禁みたいな言葉になりそうですが)
絶対に世界はインフレしていくので
現金で持っておくのではなく、インフレしていくもの(株・債権・コモディティなど)に資産価値を移しておきなさい
ということです
これに対しては非常に納得できます
しかし現在キャッシュの割合が比較的増えてきています
なぜなら
株は下がりやすい環境
コモディティは原油一角だがいつ崩れるかわからない
債権は金利上昇局面では価格は下落
金銀なども価格がおかしい(本来上がりそうな局面だが価格が上がらない)
どれも価値が下がっている状態でして
相対的に見ると結局現金が無難、、といった観点からです
今は現金多めでやり過ごしておきつつ
クラウドストライクを買うなら、インフレが治ってから
最近の決算と
他ライバル企業の動向と
さまざまな要素を考慮して
そこから、ゆっくりとですね