Affirm Holdings、アファーム(ティッカーシンボル: $AFRM)が
2022年度第3四半期決算を発表していました
同社は消費者に対してBNPL(Buy Now Pay Later)というサービスを提供しています
要するに消費者金融です。日本だとクレカ会社に極めて近しいかもしれません
米国のクレジットカードは金利が高かったり利用枠が小さかったり、審査が厳しかったりする特徴がありまして
一部の(それなりに)収入が安定している人間にしかうまく利用できない欠点がありましたが
AFRMはクレカを持てない、あるいは持っているけど利用枠が小さいような人に対して
低い金利でお金を貸す、といった構造になります
日本のクレカだと一括払いは金利がないのでイメージがしにくいですが
クレカというのはお金貸しなので、金利がつく方が実は一般的です
Amazonとの提携も本格的にスタートし
クレカに変わる支払い方法として確実に米国で浸透してきている印象です
大型店舗、Walmart, Shopify, Amazonなどでも使えるのは極めて大きなメリットです
オンラインではない現実の店舗ではDebit +を使うことでAffirm払いできるようにしていますね
直近ではShopify、アメリカン航空との連携など更に職種を伸ばしている状態です
前回の決算はこちらでした
情報のリークによってあたふたしてましたね
結果は良し
グラフなどはこちらから。色がビビットで良いです
2022Q3 | 結果 | 予想 | 評価 |
EPS | -19¢ | -54¢ | ⭕️ |
売上高 | $354.8M | $351.88M | ⭕️ |
売上高前年同期比: 54%
この数字はグロース株として立派だと思います
売上高は前期と比べて減少していますが
12月のクリスマスシーズンと比べて
今期はあまりボーナス月がなかったからですね。季節性の要因です
アクティブ消費者 +137%
一人当たりのトランザクション増加
加盟店 +1698%
2023年度末までに営業利益の黒字化を達成目標
GMV+73%(リピーター+81 %)
Peloton除くとほぼ2倍
良い内容ではないのでしょか
Amazonパワーが強くてあまり前期と比べても仕方ないのですが
以下の図を見れば拡大は一目瞭然です
かなり連携が増えていますね。
アメリカン航空でAffirmが使えるようになり
Shopifyとの提携を拡大
更にここからStripeとの提携計画など、幅広い状態になっています
旅行やチケットなどへの使用増加(+122%)のほか
日用品にもAffrim利用が述べられていました
インフレ下での消費トレンドとして旅行や体験へのシフトがありそうです
ここは$WMTや$TGTの決算で触れられていました
Chrome Extensionも開発しており
VISAでの支払いをAffirmで行うなどどんどん使いやすくなってきていますね
Affirmの預金ではビットコインで利息を受け取れるようになったり
どんどん改造されていっているのがわかります
創造期として試行錯誤が見えて楽しいですね
なお相変わらずの赤字体質でして
前期の営業利益が-$1.96Mのとんでも数字からさらなる赤字になっています
前述したようなさまざまな開発に手を出しているからもあるので
ここからどうスリム化していくかは注目です
ガイダンスは次期がダメでした
次期四半期(Q4)ガイダンス
売上高 売上高 $345M~$355M VS予想 $351.88M ❌
通年(FY22)ガイダンスは引き上がりました
売上高 $1.33B~$1.34B VS予想$1.33B ⭕️
カンファレンスコールでは順調な消費を背景に今後の展望を述べており
インフレに対する言及がない企業を久しぶりに聞きました
株価は暴騰
去年の決算だと+30%
前回の決算で-30%以上を記録している、躁鬱激しい企業なのですが
今回は+に暴騰しました
ただショートカバー(空売り側の買い戻し)が多いと言われており
今後も大きく株価が伸び続けられるかはまだわからないですね
1年で見ると最高値から-84%です
利上げによって大きく影響を受ける企業なので
まだどんどん利上げをしていく今の時期だと立場がかなりきつい企業かなと感じます
弱気相場での立ち位置を考える
米国ではインフレがひどいものになっています
一般的にはインフレ下では活発なトランザクションが起こるため
BNPLを営むAFRMにとっては良い材料のようにも見えます
なのでインフレ下では大きな成長ができる企業です
今まさにイケイケドンドンで様々な投資を行い
サービスを充実させていっていますね。この点は大変魅力的に見えます
しかしFRBはいま不況に突っ込ませようとしているようなスタンスになってきました
ここ数週間のFRBの動きを見ますと
株式市場にたいしてハト派のような発言がほとんど出なくなってきました
(もともと株式市場に対してFRBは何かをするものではないと
なんとも立派な発言がありました)
不況になるとBNPLはいよいよ立場が弱くなります
前回の記事でも書きましたが
同社はクレカを持てないような人を対象にお金を貸している状態なので
一度不況がくると、その会社運営は非常に危ういものになると予測します
不況が来る -> リストラされる -> Affirmの分割払いが払えない
のような状況になりやすいのは米国ならではの特徴かと思います
簡単に従業員を首にできるのが米国ですからね
この点を念頭におきながらAffirmの決算をウォッチしていく必要があります
もし延滞率が上がっていっているならば
貸倒れ(借りている人がお金返せなくなること)からの総倒れになる可能性があるからです
なので、不景気の兆候を注意深く見ていきましょう
まずガソリン価格の低下、原油価格の低下が世界的な不況の前兆ですね
今はまだガソリンが絶好調ですが、これが下がり始めたら危険です
(チャート的には今まさに買わなければいけないチャートですけどね)
そうなるとXOMのようなエネルギーセクターが下落します
当然まだ上がる可能性もあるので
儲かりたいならば逆指値を仕込んでおいても良いと思います
ようするにここからはチキンレースですね。どこで売り抜けるかがポイントです
一般的なラインは下値のあたりでしょうか。$86, $84などです
ちなみに9月以降の利上げは0.25%が今は大筋です
なので6月が0.5%、次の7月も0.5%です
ただし、今のところその次の9月は0.25%,11月12月も0.25%と言われています
これは裏返すと9月も0.5%利上げするとダメージが大きすぎるということで
世界的な不景気は近いのかもしれません
現に今まで好調だったHDVやSPYDもここ一ヶ月では少し雲行きが悪くなってきています
これら2銘柄は比較的ディフェンシブなものが多いので、ここ1年は好調でした
HDVは+7%ですね。下値は保っていますが少し危ういですね
SPYDは+4%です。5月くらいからチャートが少し崩れてきています
いよいよ値幅で儲かる銘柄というのがなくなってきているように思えます
あと、不景気になると多少円高に触れると思います
直近で少しドル高に偏っていたため、110円台までは戻るかなと思います
ドルで積み立てている人にとっても悲劇が来るかもしれません
こうして総悲観になり、みんな投資なんてやるべきではなかったと思い始め
誰からも話題にされなくなってきた時にはまた投資のチャンスがやってきます
(現にこのブログも1年前に比べると人が来なくなってきています)
そしてどうしようもない不景気が来ると徐々に利下げがやってきます
金融緩和は投資にとっては良い環境になってくることを忘れてはいけません
ビットコインとかそういうものにも良い環境が来るかもしれませんね
来年くらいまでに一回指数のことは忘れても良いかもしれませんね
定期的な積立だけ行っておき、あとは放っておいておくのも十分Goodな選択肢だと思います
キャッシュが強い時期はまだ続きそうです
あと不況に向けてサラリーマン本業も考え直さないといけないです