Walmart, ウォルマートが5/18に2023年度第1四半期決算を発表していました
ティッカーシンボルは$WMTです
同社はスーパーの他、Eコマースも提供しています
特に昨今ではEコマース事業で大幅躍進
無人化・オンライン化・ドライブスルー化で大変革
と、過去の評価を置き去りにしていくほど変革が行われている企業です
大量消費の時代の寵児として生まれ、今大きく身を切って変革をおこなっている
よくもわるくも米国らしい企業だと考えます
(昔アラスカのボスはこの企業のことを Social Problemと呼んでいましたが
言い得て妙だと思います)
アメリカ大陸では特に大きなシェアを持っている企業ですが
傘下の企業を使いながら世界中で幅を利かせている企業です
前回の決算結果はこちらで、良い数字でした
決算内容は悪い
詳細はこちらから
2023Q1 | 結果 | 予想 | 評価 |
EPS | $1.3 | $1.48 | ❌ |
売上高 | $141.5B | $138.8B | ⭕️ |
売上高前年同期比:+2.4%
現在インフレが凄まじいので売上高で評価するのはあまり望ましくない状態です
EPSが大きくミスです。理由は3点述べられていました
1. オミクロンが大したことなく従業員がダブついた
2. 物が売れなくなり倉庫コスト増加も相まって出ていくお金が多くなった
3. 燃料費高騰
前決算で消費者に対し価格転嫁していく姿勢を見せていましたが
それでも利益が出にくい状態ということでよろしくない状態です
たとえばアパレルでは価格転嫁したものの
燃料費がそれを超える速度で高くなった為厳しい状況になったと述べられています
印象深い発言としましては
食料品・日用品両方でこれほど急速にインフレが進むことは異例である
といった箇所でしょうか
内訳を見ますとUSの売上が相変わらず強いです
Walmart US +4.0%
Walmart International -13.0%
Sam's Club +17.6%
USの中で見ると取引件数は僅かに増加とのこと
Eコマースは順調ですね
Internationalは相変わらず英国日本での事業売却の影響がありますが
そのほかに中国上海でのロックダウンも影響とのこと
ヘルス系のサービス展開や
デジタルウォレットなど金融サービスも展開しており
B2C以外の分野にも大きく種を蒔いている状態です
来期ガイダンスEPS 1.56 vs 予想1.91 ❌
来期ガイダンス売上 148.1B vs 予想146.7B ⭕️
今年度ガイダンスは引き下がりました。ここも嫌な点です
今年度ガイダンスEPS 6.40 vs 予想6.76 ❌
今年度ガイダンス売上 595.7B vs 予想591.2B ⭕️
株価は大暴落
株価は決算発表後大暴落となりました
最高値から一気に-23%ですね
また同様にも決算が悪かったターゲット($TGT)も大きく株価を下げています
これは$XLP(Consumer Staples Select Sector SPDR Fund)の
暴落にもつながっています
このETFは米国生活必需品の水準に追従する物でして
今年のパフォーマンスが良かった数少ないETFの一つでしたが
ここで脱落となりました
最後まで耐えてて次の餌食になりそうで怖いのは、やはりXLE,石油ですね
不景気がきて人々が外に出なくなったら石油も一気に大暴落です
確実に逃げる準備をしておかないといけないですね
米国全体のバロメータ悪化が意味することは
前回の記事ではWMTが米国個人消費の指標になっていると述べました
これが完全に崩れて景気後退が深刻になっていることが懸念されてると思われます
米国のGDPの7割は個人消費のため
個人消費の落ち込みがそのままGDPの下落につながります
日本含む世界で現在インフレに苦しんでいるわけですが
個人消費がしにくくなってきた場合
真っ先に影響を受けるのは旅行のような移動系・余暇系と一般に言われています
それらのお金を切り詰めてもまだ生活が厳しい場合
例えばいつも買っているベーグルのブランドを変えてより安いものにしたり
ベーコンをちょっと安いものに変えたりします
実際今回のコールでもPB(Private Bland)商品の購入が増えているとの発言がありました
この時を不景気の到来と見ることができるのですが
今後この状態になりうるということですね
当然、QAの中で真っ先に聞かれたことは
消費が落ち込んでいるのかどうかでして
全体的に見ると堅調
ゲームやガーデニングなど好調
しかしベーコンや乳製品ではプライベートブランドへ変更
すなわち高額商品の一部売れなくなってきている
とのことでした
また今後消費が落ち込んで在庫が捌き切れるのか?といった質問に対しては
特に問題がないと発言
同業$TGTのコールでも似た発言は当然ありましたが
旅行用のカバンなどを買うために一部の高額商品を買わなくなっている
といったものがあります。ここは興味深いです
これを受けて5/18は全面的な株安となり
FRBは今後の利上げは0.5->0.5->0.25
のようなアナウンスも出しています
株価はどう反応するかも合わせて注目です
面白い記事としてはこんなものがありまして
航空会社の見通しは良い一方で小売が苦しむ状況を述べています
↑で述べたような、まず旅行をしなくなり次に食料を変える、、といった選択ではなく
まず食料を安くして旅行に備える、、といったマインドが述べられています
この夏は数年ぶりに大きな旅行ができるので新型コロナウイルスの鬱憤を晴らす
そんな気概があるのかもしれません
(個人的にわかる気持ちもあります)
この仮説が当たるとまだ数ヶ月は原油系の命があることになります
決めつけは厳禁なので注意深くいきたいですね
5月終わりからは米国民がガソリンを使いまくる休暇時期でもあるので
ガソリン価格も見ましょう
一気に景気後退に突っ込むか
それとも旅行移動系だけは生き残るか
一寸先は闇ですね