Rocket Lab。宇宙へ飛ばすロケットを製造している会社です
設立はニュージーランドですが、現在の拠点は米国となっています
現在のティッカーシンボルは$VACQでして、SPAC上場予定です。
合併完了は9月末までに行われる予定で、合併完了後はティッカーシンボルは$RLKB になる予定です。ナスダック上場ですね
ロケットの打ち上げ回数は多くの実績があり
規模は米国でSpace Xに次いで2番目です
なのでAstra($ASTR)と比べると遥かに格上です
またRocket Labは元々SPAC上場ではなく普通の上場を目論んでいた会社です
しかし中型ロケットの開発の過程で資金調達が必要で止むを得ずSPACを選んだ過程があります
すなわち他のSPAC上場企業と比べて、SPAC独特の胡散臭さは少ない企業ですね
SPAC企業は上場までに財務状態がわからないため、上場後に実はとんでも企業だったとわかることがしばしばあります。例えば$RIDEがその例です
$RIDEは合併後勢いが良かったのですが
相次ぐバッドニュース、CEO辞任でボロボロになりました
最近まで"エレクトロン"と言う小型液体燃料ロケットを中心でした
2021/5/15のに20回目の打ち上げテストをし、大失敗をしました
(BlackSkyの衛星を積んでたのもニュースですね)
しかし最近になり"ニュートロン"という新ロケットの発表をしております
ニュートロンは"エレクトロン"の25倍の打ち上げ能力をもつ中型ロケットです
これにより小型衛星数十機・惑星探査機・有人宇宙船などを打ち上げることができるようになります
これの競合はスペースXの"ファルコン9"になります。
Astraとは違い、人も運べる大きなロケットも作っている点が特徴ですね
株価は期待あり
株価は以下です
SPACなので今のところ$10が下値です
アストラとバージンギャラクティックのニュースもあって
最近は値上がり気味です
8、9月に全体的に値下がりする可能性を考えると
今入るのは少し勇気がいる状態ですかね
他の宇宙SPAC、$NSH(Spire), $SFTW(BlackSky)などと比べると期待が大きいことがわかると思います
$SFTWは以下です
事業計画書を眺める
事業計画書はこちらから
これは株主に夢を語る資料なので、基本的に良いことしか描かれていない点に注意です
他宇宙SPACとの比較
他宇宙SPACと打ち上げ実績など比較をした資料は以下になります
打ち上げ実績はSpaceXとRocketLabが全て
売り上げもこの二つ以外からは出ていない
他の宇宙SPACと比べて如何にRocketLabが進んでいるかがわかります
他宇宙SPACとして3つ企業が並んでいますが、Astra以外は無名SPACですね
財務サマリ
SPAC企業で大事なのは財務状態がどうなるのか、ですね
以下がその資料です
上の段が調整後EBITDA
下の段が営業キャッシュフローです
2023年に調整後EBITDA黒字
2024年に営業キャッシュフローは完全黒字を目指しています
決算ではこれが達成できるかがポイントになってきますね
まあ大体のSPAC系事業計画書はかなり嘘っぱち(希望的観測)の内容なので
多少遅れることは十分想定できます
問題は、遅れた場合なぜ遅れたのか、リカバリープランはあるのか
が説明できているのかといった点です
先述の$RIDE(ローズタウンモーターズ)は決算で当初予定をクリアできないことをしれっと一文付け足して一切言及なしでした
こういった企業にならないことを祈ります
財務サマリを他企業と比較
以下のようになっています
上の段は売上。下は調整EBITDA、どちらも2025年の予測です
右にSPAC企業と宇宙企業を並べています
宇宙関係ないSPAC企業と比較しているのは面白いですね。
宇宙SPACと比べると2位。Astraより遥か上であることが改めてわかります
基本的にこの事業計画書は、他の宇宙SPACと比べるてRocketLabがいかに優れているのかを示す資料なので、当然と言えば当然なのですが
他SPAC企業と比べると、例えばLuminar Technologies Incが圧倒的な数字を出しています
自動車の自動運転の目として利用するLiDARの開発を行っている企業です
トヨタやボルボと提携していますね
株価は以下です
このような銘柄だとSPAC当時$10の2倍で落ち着いていますね
ロケットラボの期待度は$LAZRと同等かそれ以上だと思うので
合併後に一度吹いたあと、このレベルで保ってくれる可能性は低くないと感じております
ロケットラボの優位性
事業計画書を眺めてみると
他の宇宙SPACとは大きく違い実績を持っていることが大きな大きなポイントになります
事業というのは 0->1->100といったプロセスを踏んで進んでいきますが
本企業は0->1の部分を既に達成しているのです
0->1は事業のPoC(テスト)
1->100は事業の商用化ですね
0->1ではまず、それができるかどうかを精査します
宇宙企業だとロケット打ち上げ実験です
1->100はそれを使って売上がだせるかどうかを精査します
宇宙企業だと、顧客へのバリュー提供と利益の獲得です
この二つの段階には非常に大きな壁があり
大半の企業はこのどちらかで死んでいくと言われております
そしてSPAC企業の大半はこの0->1ができていないものです
禄に実績もなくストーリー1本で上場して
商品納入予定がどんどん後倒しになっていく、、
そんな企業がゴロゴロしている場所がSPAC上場です
しかも宇宙となると尚更です
宇宙産業はその特性上ロケットを宇宙まで打ち上げてオペレーションをしなくてはいけません
それはかつてほとんどの企業がやったことないものであり、世間で確立されたノウハウも多くありません
つまり今後も多くの企業が0->1の箇所で失敗し続ける可能性が極めて高いのです
そうなると、そのような企業が掲げている顧客への納入計画の大半は後ろ倒しになるでしょう
いつまでも実験のための資金が必要で
そのまま資金がショートして倒産、、というのも想像に難しくありません
0->1ができていない企業に対してお金を突っ込むことは宝くじと同じような期待値です
捨て金しか入れられないと言うことですね
しかし、このロケットラボは倒産のリスクは比較的小さいと考えれられます
なぜなら既に多くのロケットを宇宙に届けており、そのノウハウが社内にあるからです
繰り返しますが、この企業は既に100機以上の衛星を打ち上げています
0->1は既にクリアしている企業です
なので、この企業が今考えていることは
”どうやって顧客に売り込み、利益を出していくか”
です。1->100の段階であり、他の宇宙SPAC、Astra等とは全く次元が違います
つまり、(おそらく実験段階で死んでいくだろう)多くの他宇宙SPACとは違い
事業が計画に乗って利益を出せる可能性が段違いに高いのです
入り時を間違えないこと
ここまでを見てみますと、ロケットラボはかなり魅力的な投資先となります
一方でこのような宇宙銘柄はかなり変動が激しくなること間違いなしです
それは、昔SPAC上場した$SPCEの値動きでもよくわかります
良いニュースが出た場合、大きくイナゴが形成されて買い漁られ
悪いニュースが出た場合大きく下げるを繰り返しています
$SPCEの株価は以下です
重要なのは、株価が吹いたときに慌てて買い進めないことです
人間というのは損を嫌うため
持っていない銘柄の価格が強烈に上がると急に買いたくなるのですが
そこをじっと堪えることが大事です
絶対にいつまでも良いニュースが出続けて株価が昇り続けることはありません
新型の中型ロケット打ち上げ実験が今後何十回も成功し続けるとは思えません
特にロケットラボはSpaceXの上場とかがバッドニュースになる可能性もあります
相場全体が不安定になった時、このような利益がまだ出せていない会社が売られまくることもあります
そのような時までじっと堪え、下がったら買い、良いニュースでたら売る(あるいはホールド)
ということを繰り返せればかなりよいトレードができるのではないのかと考えます
まだ日本の証券会社では買えない模様ですが、合併後は間違いなく帰ると思うので要チェックです
今買える人は、どうでしょう。$11くらいならダウンが-10%しかないと考えられるので入ることもできるのではと思います