スクエア。フィンテックの雄です
ティッカーシンボル$SQで上場しております。
本記事の要点は以下
- 大きく分けて二つの事業。そのうちCashAppというアプリ事業がブーム
- コロナ後にはスクエアリーダーの事業が盛り返す可能性あり
- 今はCashAppで経済圏を作り出しているが未来は決して安泰ではない
- 2021年の決算に大注目
さて、株価の動きは以下
2月後半に頂点をつけましたが、その後金利上昇に伴い転落
そこから巻き返しを今謀っているところです
この巻き返しラリーでは他$TSLA等と同じ好スタートを切っております
同じように2/20から下落した他のハイテク勢と比べて戻しが強い理由は
1. ARK銘柄であるためARKがかなり買い込んだ
2. ハイテク勢の中では実績がしっかりしている会社(夢を売っているわけではない)
3. 給付金受け取りにCash App (スクエア提供のアプリ)がかなり使われている。追加の給付金ボーナスが見込まれている
4. ビットコインを所有。ビットコインの価格が上がるとSQも同様に価格が上がることがある
5. スクエアリーダーはコロナ後に人々が街に出てくるようになると利用が活発になると考えられる
といったことかと想像します
個人的にも、テスラほど派手ではないですがイノベーティブ、といった非常に好きな会社です。
CEOのジャック・ドーシーもCoolですよね
財務状態
一株あたりの利益・キャッシュフロー・売上高を比較してみました
利益は2018年にマイナスでしたが、2019年からプラスに転じています。ここはGoodな点です
一方以下が気になる点です
営業キャッシュフローが少し悪化している点。
営業キャッシュフローが低くなると会社の首が回らなくなるので、改善して欲しいかなと思っています。
また2020年は売上高倍増に比べて利益は減少している点がマイナスです。
一度導入したらその後はお金がかかりにくい事業のはずなのに、何故ここまで利益が少なくなってしまうのかは要確認です
この点を、成長企業だから仕方ないと捕らえられるのかどうかですね
事業1: モバイル決済領域
スクエアはスクエアリーダー(5,000円くらい)を企業に提供し顧客の決済を簡単にしております
これを利用すると簡単にスマホやタブレットでお店のレジ代わりになってくれます
通常クレジット決済システムは結構銀行などの審査が厳しいのと、専用の機械が必要のため個人商店や個人経営の美容院では導入が厳しい実態がありました
スマホは誰でも持っているため、本サービスの導入によりこの問題を解決しようといった意図ですね
実際、米国に住んでいても実感しているのですが、個人が経営しているお店がかなりあるため、本システム導入でクレカが使えるようになり助かっていると思います
また決済システムだけでなく、それと連動した売り上げ管理・経営支援システムを提供したり、スマホをレジ代わりにしたり、
商品管理や勤怠管理・スタッフ管理なども行えるサービスも展開しております
戦略としては、決済システム導入自体はタダ同然で行い
それと共に上記のようなシステム・サービスも導入してもらって顧客を囲い込もうといったものかと考えます
レジはこんな感じになります
日本でも展開しております。こちらは手数料が3.75%と米国より高め
たまにスマホに機器をつけて使っている店員さんを見かけたりします
キャッシュバックキャンペーンをやっているので、やはりスクエアリーダー自体はバラマキ作戦ですね
多分、勤怠管理や商品管理システムも導入数ヶ月無料キャンペーンもあるのではと推測します
本サービスでお金が流れる仕組みとしましては、決済のたびの手数料(2.75%)、がメインとなります。
この手数料が、全体の売り上げを大きく締めます
そのためお客さんが沢山決済しないと会社の売り上げは高くなりません
(2020年はここでダメージを受けましたが、CashApp事業で挽回しております)
スタッフ管理などのサービスはサブスクリプションで課金しております
これが全体の売り上げの2割くらいです
事業2: CashApp事業
スクエアはCashAppといったアプリを提供しております
本アプリは銀行のやることの一部(貯蓄・送金・投資・決済)をこれ一本で置き換えようとしております
また、仮想通貨の購入や、個人向け融資も今後可能になると言われています
口座振り込みも可能なので、給料受け取りにも使えます。
すごいですよね。日本ではまだ銀行ではない口座に給料は普通振り込めません
これにより、銀行口座をもてない層(6000万人以上)でも、給料受け取りやお金のやりとりができる様になります
また働いていない若者でもお金のやりとりがオンラインでで
中国でもホームレスがWeChatPayでお金を貰う、などニュースがありましたがそれと同じ様なことです
儲ける仕組みは手数料です。送金時に手数料が1.5%かかる、投資の手数料等、顧客から手数料をもらっています
この手数料が2020年は超莫大でした。これは経済圏が出来上がっていることが理由かと思われます
CashAppで給料や給付金を受け取り
CashAppで株式投資をしたり仮想通貨を買い
CashAppで通販のお金を払い
CashAppで割り勘のお金を払い
CashAppと紐づいたキャッシュカードを使用する
のようなイメージですね。日本では楽天がこれに近いです
(こちらの方がスタイリッシュですが)
2020年はこちらの売り上げがかなり増加したため、結果として会社の売上高が倍増といったことになりました。
今後も顧客にはアプリを使い続けて貰う必要があります
アプリのユーザー数は2020年で3600万人でした。前年同期は2400万人だったため50%増加となります。
今後もこのユーザー数を増やせられるかが超重要ポイントとなりますね
今後の見通しと課題
スクエアリーダーの復活が可能なのか
2020年は人々が街に出ないため、お店での直接決済が大きく凹みました
これはVISAの決算でも伺うことができます
2021年にはワクチン、集団免疫などの結果で
人々が街に出てレストランやお店で消費が大きく伸びることが予想されます
この時にスクエアリーダー側での利益がどれくらい伸ばせるのか、重要な点だと思われます
なお今のところ大きな営業はかけないように見えます
潜在的な市場はかなり大きい
キャッシュレス化はさらに進みます。これは不可逆的だと思われます
CashAppの潜在的な市場規模は$600億とスクエアはアナウンスしています
今は$14億しか売り上げがないため、まだ市場で2%程度のシェアしか獲得しておりません
今後この市場規模の拡大にむけてより積極的な営業をしていくと考えられます
スクエアは、営業にさらに投資し、営業費用が$8億以上増加するとアナウンスしておりました
この結果がどう上手く反映されるかが2021年のポイントのひとつでしょうか
CashAppのバブルを上手く着地させられるか
CashAppがコロナ給付金の受け取りに使われたこともあってCashAppトランザクションが超膨れ上がりました
これは2021年3月の給付金おかわりでも使われるため、次の四半期の売り上げに大きく貢献するのではと予想されます
一方で、給付金の様な特例はもう少ないと考えられます
その時に一時的にCashAppの使用率は下がるのでしょうが、大きく下げずに何か代替ができるのか、気になっている箇所です
他のプレイヤーとの差別化が難しい
この様なFinTech界隈はSquareの他にも多くのプレイヤーがいます
VISA
Mastercard
Paypal
Venmo
Coinbase
Robinhood
Bakkt
などなど、、、
キャッシュレスの王様はVISA, Mastercardです
決済系ではPaypalやVenmoは買収を繰り返しSquareとの差別化も計っています
仮想通貨はダントツの神であるCoinbaseのIPOが控えています
投資界隈はやはりRobinhoodが若者の間ではナンバーワンです
この様な移り変わりが激しい時代ではスクエア経済圏は決して安泰ではありません
ネット界隈で一度愛想をつかれると物凄いスピードで顧客は離れていきます。
今は営業が上手く結果を出していますが、他のサービスが一気に顧客を奪い返す可能性もあり、スクエアが一気に衰退することも考えなくてはいけません
スクエア株を持っているうちは、上記の様な企業の新サービスや協力などニュースを要チェックかなと思います
さらに第一四半期の決算にも要注目です
恐らくCashAppが給付金ボーナスでトータルは良いのですが
大事なのは1~3月、特に3月でスクエアリーダーがどれくらい復活しているのか・低迷のままなのか
ここの見通しが立つと本格的なコロナ後夏の到来にも期待が持てる様になるのかと思います
そうでない限り第二四半期あともスクエア株を持ち続けるのは難しいですね