マリオット・インターナショナル (ティッカーシンボル MAR)が
2022/5/4に2022年度第1四半期を発表していました
前回の決算はこちらです
同社は世界的に有名なホテルブランドを展開していますが
持たざる経営をしており、利益率の高さが魅力的な銘柄です
展開しているホテルブランドは
南部のおもてなし文化をもつ最高級ブランド、リッツカールトン
ビジネスやファミリーなど幅広い対象に使えるシェラトン
独特の豪華さをもつウェスティンを筆頭に
安いホテルブランドも結構経営しており
実は一回は泊まったことがある人も多いチェーン店です
売上高も予想を超える
詳細はこちらから確認できます
結果は以下です
2022Q1 | 結果 | 予想 | 評価 |
EPS | $1.25 | 99¢ | ⭕️ |
売上高 | $4.20B | $4.11B | ⭕️ |
売上高前年同期比: +81%
良い数字だと思います
レジャー関連での需要は2019年を10%以上超えていると述べていました
リベンジ消費が激しく行われていると予測します
一方でビジネス側の需要はそれに比べるとあまり増えていないとのことです
ただ、オフィスに戻ってくる人間が急激に増えており
今後需要の増加が考えられます。米国も日本と同様一部の企業は積極出社を図っています
(良いか悪いかは別としまして)
面白い情報としては月曜火曜水曜の需要は減少していますが
木曜から週終わりにかけて増加しており、金曜土曜の稼働率は2019年と同じになった(!!)とのことでした
ついに一部の曜日は完全復活です
これはレジャーだけでなくビジネスとレジャーの融合のような使い方が多いとの推測です。出張ついでに観光、良いですね
ただこの出張&観光も国内がメインの模様でして
Cross-Border(海外利用)でみますと宿泊者数は2019年に全体の19%に対して
2022年は14%です。ここは今後の伸びしろとなりそうです
売上高は新型コロナウイルス騒動前の8割減ですが稼働率としては 55%であり
まだまだ伸び代があることがよくわかります
3月は64%くらいの稼働率だったと言うことで
足元ではお客さんがかなり増えていると予想されます
かなりの予約数が確保されており
4月では米国カナダでもう2019年を超えたRevPARが出ているとのことでした
このまま堅調に消費が進めば5,6月も間違いなく売上が出そうです
RevPARも増加
ホテル業界の決算は以下の数値を見ることが役立ちます
RevPAR(予約可能な客室の平均単価)ですね
平均単価 と客室稼働率をかけることで算出できます
RevPAR $89 前年同期比 +95%
2019年同期は$110です。1月のオミクロン株の影響がありお客さんの数が減ったことが原因ですね
客室稼働率が2019年に比べて-13.6%なのでここが上がれば問題なくなりそうです
そして客単価だけ見ますと2019年とほぼ同等なので
この調子で進めばもう次の四半期くらいにはRevPARも2019年と同等に近いレベルになるのは確かに想像できます
地域別ですとRevPARは 前年同期比で
中国で -6.2%
アジアで +62%
中南米で +166.6%
欧州で +400.3%
中東アフリカで +99.4%
となっています
非常に素晴らしい数字が並んでいることがわかります
中東はドバイの万博による需要増加も影響しているとのことです
稼働率が2019年同期比で一番高かったのがこの中東で-4.9%でした
米国カナダでもまだ稼働率は-10%ですからね
(他地域は-20%以上)
中国は相変わらずロックダウンしていた影響が出ています
こちらも緩和されてきてはいますが、いつひっくり返るかはわからない為
確実な予測は立たずです
後、ロシアでも結構ホテルを動かしていたのですが
新規開店や事務所など一部停止などしています。
そこは持たざる経営の強さで、あまり負の影響が出ていません
マリオットボンヴォイに関しましても堅調とのことです
カードが新しくなり、ここからの収入も増えています
昔のSPGアメックスですね。日本に住んでいる人だと改悪で解約した人もいるのではと思います
もう少し未来に目を向けますと全体的に新規ホテル開業は進んでいるものの
工事の延長や労働力不足がありスケジュールが長期化しているとのことです
ので、今後数年間で急激に客室数が増えることはなさそうです
予約が取れないほど満員になって稼ぎ時に稼ぎきれないリスクは少しありそうです
(まだ本調ではないのであまり大きくはないリスクでしょうが)
中国での工事も同様ですが、割と工事が進んでいる案件を取っているので
影響は限定的との発言がありました
総じて楽観的だと述べており好調が窺える発表でした
春が来たウキウキ度が伝わってきます
株価は上下を繰り返すが概ね上昇基調
決算後に一時的に上昇しましたが
その後地合いもありまして一方的に売られ
直近は急上昇カバーをしています
長期で見てみますとチャートは上下を繰り返しも上昇傾向です
下値は切り上がりつつ上値は更新しつつ
悪くない状況かなと思います
今は急激に戻している状態ですが、この下値と上値を更新している状態なら入れると思います
一方で下値を突き抜けてしまう、具体的には$148を下回ると厳しい状態になりそうです
今年の夏までの旅行需要を考えれば大いに期待できる銘柄ですね
今後も好調予想、あとは地合いだけ
意外なことにヒルトンは決算を失敗していた今回の決算シーズンです
しかし行楽需要で考えるとこれらは確実に伸びてきていると思われます
同じような行楽銘柄であるAirbnb($ABNB)の決算も問題なしでした
今米国では旅行などの体験に対する消費が第一と考えられているので
これらの銘柄の数字は良くなるかもしれません
そして人々の動きが活発になってきており
出張も多くなってきた今大いに数字が期待できる銘柄です
怖いのは地合いだけですね。本当に
どんだけ成績が良くてもQTも始まり利上げがまだきつい状態だと
株価が伸びないどころか下落すらする可能性もあります
その中でふと囁かれている不景気が来てしまったら株価にとってマイナスでしょう
$ABNBも決算自体は悪くなかったのに
グロース銘柄であることからさらなる利上げを嫌気して大きく売られた一ヶ月でした
このような微妙な時期にいることを忘れてはいけないなと思います
この時期に投資したいならMARは良い銘柄の一つじゃないでしょうか