デルタ航空が2023年1月13日に2022年度第4四半期決算結果を発表していました
ティッカーシンボルは$DALです
同社は米国を拠点にする航空会社して
経営が難しいと言われている航空会社のうち
比較的健全に運営されている会社の一つです
アメリカの航空会社というと基本的に評判が悪いのですが
デルタはその中ではまともという意見も多いです
(ヨーロッパも酷いですけどね)
実際に北米で最も定時運航の航空会社と認められ
今回Cirium Platinum Awardを受賞してます
また 10月、11月、12月はクリスマス休暇や悪天候もあって
他の会社は定時運行意地に苦労していましたが
出るとはその中で一番顧客への影響は少なかったです
全体的な評価としましては
航空会社は飛行機という超巨大な資産を抱え込むことになりますので
それを使えない時の赤字幅というのはどうしても大きくなりますね
一方で潰れてしまうと国としても困ることが多いので
国の救済が入りやすい企業でもあります
前回の結果はこちらです
売上自体はパンデミック前を越えていましたが
わずかにダメ、、という惜しい結果でした
結果は次期ガイダンスのみ外す
結果はこちらからも確認できます
2022Q4 | 結果 | 予想 | 評価 |
EPS | $1.48 | $1.34 | ⭕ |
売上高 | $ 13.4B | $12.7B | ⭕️ |
売上高前年同期比 +42%
コロナ前の2019Q4の売上も超えている状態です。良い数字ですね
特に数字が良いのがプレミアムキャビンのチケットであり
コレが19年同期比で+13%になっています
19年ですとメインキャビンとプレミアムの売上比が5:3くらいでしたが
今では5:4くらいですからね
金持ちが金を使う頻度はかなり上がっているのではないでしょうか
内訳としては
・Passenger売上高: $10.889B 、19年同期比 +6%
・Cargo売上高: $248M、19年同期比 +33%
・Other売上高 : $2.98B
Otherでは製油所の売上が$1.1Bで計上されています
後はLoyalty Program(高級会員)などですね
アメックスも何気に売上の割合が大きいです
今季では$1.5Bでして通期目標の$5Mもクリアしています
Passengerの2019年度同期比は以下です
・アメリカ国内 +7%
・大西洋 +17%
・中南米 +15%
・太平洋 -35%
日本などが開かれたことがあり太平洋路線は前期の-50%くらいから大きく上昇です
アジア路線は、後は中国次第でしょうか
中国自体はロックダウンしているわけではないので
コロナウイルスの動向次第でこちらも路線が復活する可能性はあります
また2023年春から国内線で無料で無制限のWi-Fiを提供していくことが述べられています
JALやANA等のサービスより頑張っていますよね
23年も航空業界の環境は引き続き良好で
収益とフリー・キャッシュ・フローを大幅に拡大することができるとのことです
また人件費の上昇を含め、燃料以外の単価は前年比-2~4%にすると発言ありです
2023年Q1ガイダンスはダメでした
売上高:$11.9B〜$12.3B VS 予想 $12.1B ⭕️
EPS: 15¢ ~ 40¢ VS 予想 $65 ❌
ピークに向けて人を入れながらネットワーク再構築するとのことで
人件費が増加する見通しです
しかし、これは一時的なものと考えられるので
通期ではより大きく成長できる期待があります
株価は下落
株価はこれを受けて下落しました
大きくプレで売られたあと、ジリジリと上昇していった形です
比較対象のVTIは+0.4%なので、それに劣後した状態ですね
前回の決算の際にDALは狙い目と言いましたが
実際にその時の株価$30より今は高値で推移しています
+16%くらいですね
同じ時のドル円は144円で今は-11%くらいなので
結果として円換算でもドル安に打ち勝った数少ない銘柄のうちの一つとなります
繰り返しですが
次回決算数字が悪い予想なのは一時的な経費増加が原因と考えられます
そして飛行機需要はこれからも旺盛の見込みです
中国もコロナウイルス騒動が落ち着いたら利用者は増えるでしょう
さらにエネルギー価格は大きく下がってきています
これらを考慮するともっと持っておけばよかったと思いますが
コレばっかりは仕方ないですね
今回の他の航空銘柄への影響は以下です
DALの決算はいつも他の航空株に影響を与えますが今回は連動しませんでした
例えばアラスカ航空($ALK)は以下です。1月入って絶好調ですね
アメリカン航空($AAL)も上昇しています。こちらも絶好調
この会社はプラスの利益警告をしていましたね
カーニバル($CCL)も大きく上げています。ようやく雪解けでしょうか
旅行関連銘柄は9~12月で株価を大きく取り戻した物が多いですね
今値動きが非常に面白いので追加購入もありかなと思います
先述の理由から$DALなど航空系は今買ってみても非常に面白い銘柄です
ぼろぼろなハイテク企業やIPO企業ばかり見てきていたので
個人的にも、久しぶりにワクワクしている状態です
懸念は、不況の際に飛行機需要がどれくらい減るかを
今考えられていないことでしょうか
決算で不況の足音を聞き取れるか
決算がいよいよ始まってきました
今回は珍しくDALが少し遅く
金融系と一緒の日でした。JPMやBAC,CやWFCです
この中でCはダメでしたがそれ以外は好調です
金融系は金利上昇の恩恵を受けるので比較的まともな決算でしたかね
問題は今月末のGAFAM系と
決算シーズン後半に出てくるようなSaaS銘柄、ハイテク企業かなと思います
GAFAMはVTIやQQQでも構成比率が高いので
コレが失敗すると全体的にも尾を引きそうです
一般的に決算が酷いと株価は下落しますが
予め悪材料織り込み済ということで大きく下落はしないこともあります
特に今回不況が来ることは皆承知なわけで
悪材料出尽くしと見られれば上昇することも考えられます
ちなみにアノマリー的には中間選挙の翌年は株価が強いことで知られています
こちらも頭に入れておくと良いかもしれないです
来週はGS, PG, NFLXなどが見どころですね
数字はもちろん、市場参加者がそれをどう受け止めたかを
引き続きチェックしていきましょう