2021/8/27 米国ジャクソンホールでの会議がありました
ジャクソンホールは↑のような山岳に囲まれた
本会議は米国のワイオミング州で毎年開かれる経済シンポジウムです
FRB議長や各国中央銀行の要人などが出席・議論する大事な会議です
例えば2010年ですと当時のFRB議長のバーナンキ氏がテーパリングを示唆したり
2016年にはイエレン氏が利上げに言及したり
大きな転換点になることが多く注目を浴びていることが多いですね
今回のポイントは
現状の米国経済に対してのFRBの評価
テーパリングの実行時期
だったかなと思います
そして、実際にパウエル議長の講演では
物価上昇は達成
デルタ株は一時的なリスク
雇用状態はまだ達成できていない
年内のテーパリングが適切
といった内容でした
今年のどこかで米国債購入額を減らしていくことになりますね
(余談ですが、日本はもうテーパリングしていますね
黒田さんが買い支えしなくなったため日経平均が下がりやすくなったと言われています)
なので、年内テーパリング開始は決定事項ということになります
次の問題は、いつ開始するのか、ですね
さて、米国のFOMC会合は今年後3回あります
以下のスケジュールです
- 9月21日 〜 22日
- 11月2日 〜 3日
- 12月14日 〜 15日
普通に考えるとこの会合のどれかで総意を取った後
パウエル議長の講演でテーパリング計画を発表するのかなと思えます
テーパリングは米国の経済の転換点なので、サプライズ発表は考えにくいですね
2010年もバーナンキ氏が発言した後
約2ヶ月後のFOMC計画の発表がされています
では発表は9月か,11月頭か,12月かというところになります
米国の事情から考えると
12月はクリスマスシーズン・バケーションなので
あまり市場に衝撃を与えないのが文化です
(サンクスギビング終わると米国人は働かなくなります)
そのような冗談みたいな理由で12月は落選、後は9月か11月かです
(イエレン氏は12月に発表しましたが)
ここでパウエル議長の発言をもう一度見てみますと
雇用状態はまだベストではない(まだ改善が必要)
と述べているのが一つポイントなのかもしれません
逆説的に解釈すると、雇用状態が改善すればテーパリングを行う
といった意味に取れます
なので雇用状態の改善がわかることが必要、なのかと
さて、米国の金融政策に対して最も重要なインパクトを与えるのは米雇用統計です
これは月初の金曜日に発表があり、この数字を元に多くの金融関係者が決定を行います
前回7月の雇用統計をみますと
非農業部門雇用者数(NFP):前月比94.3万人増 VS 予想87万人増
2か月連続での90万人超えという力強さが感じられます
失業率も5.4% VS 予想5.7%
非常に力強い数字でした
特にレジャーやホテル・レストランなどで雇用が大きく回復していました
今月の予想は75万人増・失業率5.2%です
もしこの数字を大きく上回る強い強い数字が出たならば
9月中のテーパリング計画発表はほぼ確定事項のように思えます
つまり、9/3 21:30の雇用統計発表は極めて重要な意味合いを持つと感じます
この数字が大きく悪くなる可能性も当然ありまして
例えばミシガン大学消費者信頼感指数は8月は2011年以来の水準への悪化
があります
デルタ株蔓延も関係し、8月の消費者の意欲は大きく失われていることがわかります
米国は個人消費が極めて重要な国なので、これから失業率が悪くなってしまう可能性も示唆されます
なので、どっちに転ぶかはまだわからないと言う状態ですね
また前夜祭として9/1発表のADP雇用者数とISM製造業景況感指数もあります
米国の現状を知れる数字なので、要チェックです
ということで、9/3の雇用統計が良い数字ならば
9/21,22 のFOMCで発表
悪い数字ならば11月以降のFOMCで発表
となりそうです
株価は未来を織り込むことを考えると
9/3の数字次第ではテーパリング早期開始が見込まれて大きく株価が下がったり
米国債長期金利が上昇したりすることもありそうです
(テーパリングを行い金利が上昇すると、株価の理論価値は低下します
つまり今の株価が割高と判断されて売られることになります)
今週末の数字には注意深く見ていたいですね