米国市場は弱気相場入りになっています
弱気相場の定義は諸々あるのですが、一番簡単なものとしては
直近の高値から-20%を突破というものですね
米国で一番大きな指標の一つとしてのS&P500は以下のような動きになっています
-23%ということで文句なしの弱気相場です
弱気相場は別の名前でベア相場と言ったり言わなかったりします
ベアはBear,つまり熊のことでして
熊が手を振り下ろしているようにチャートが下がっていく様からきています
(諸説ありますがね)
さて、ベア相場は一般的に逃げる一手なのですが
他に儲かる方法としては空売りやベアETFが挙げられます
空売りは大昔の記事で書いたとおりとても難しいものでして
個人的にはやらない方針でいます
で、最近市民権を得てきて
SNS界隈で話に挙がっているのがもう一つの手段であるベアETFです
例えば楽天証券で買えるのは以下のようなものですね
SPXS(Direxion デイリー S&P 500 ベア3倍 ETF)
WEBS(Direxion デイリー ダウ・ジョーンズ・インターネット ベア3 倍 ETF)
SOXS(Direxion デイリー 半導体株 ベア 3倍 ETF)
基本的にレバレッジでX倍とついていて
ターゲットとしている指数が下がると株価としては上がる設計になっており
例えば3倍といった名がついていると
指数が1%下がると株価が3%上がるような運用になっています
それぞれについて直近の形は以下です
SPXSは+58%
WEBSは+197.5%
SOXSはちょっと見づらいですが+55%ですね
WEBSはインターネット銘柄に連動するETFなので
直近のハイテク銘柄のやられっぷりから
最も良いパフォーマンスが出ていることがよくわかります
これらをみて、すごい成績だ!買わねば!と思うにはまだ早く
もう少し長期のチャートを見てみると以下のようになっています
WEBSは以下
SPXSも以下
基本的に右肩下がりであり
ピンポイント的に超短期間でちょっと上がるだけ、と言った状態なのがわかります
この理由としましては
-高い経費率
-前日に対する動きの割合を乗じていくので資産としては目減り
の二つです
一つ目は数字が出ている(おおむね1%)のでわかりますが
二つ目が問題ですね
例えば2倍のベアETFの場合以下のように考えられます
1日目に対象指数が10%上昇した場合
対象指数-> 110
ETF-> 80
2日目に更に10%上昇すると
対象指数-> 121
ETF -> 64
となります
つまり指数は20%近い上昇しているにもかかわらず
ETF側は-30%以上の下落になるということですね
同様に3倍のベアETFで考えてみますと
1日目に対象指数が10%上昇した場合
対象指数-> 110
ETF-> 70
2日目に更に10%下落すると
対象指数-> 81
ETF -> 49
と、半額になります
これが意味することは、下落直面でよく経験する一時的な上昇があると
一気に1日で-10%近い動きを食らうことは十分にあるということです
もっと単純にいうと
長期で持つには極めて向いていなく
瞬間的にトレードできる人向け
ですね
確かに新型コロナウイルス騒動で一時的にマーケットが大きく下がった時も
ベアETFは瞬間的に上昇しましたが
同様に瞬間的に下落していったこともよくわかります
わずか一ヶ月の攻防ですね
さらに問題なのは、言わずもがなですが
マーケットの底なんて誰にもわからないということです
現に新型コロナウイルス騒動で株価が下がった時も
この世の終わり、まだ株価は下がり続けるのような
風潮が出回り続けましたが
そのあと株価は回復していきました
なので、売り抜けるのは極めて難しいのがこのETFですね
それでも買いたいならほんのちょっぴり
資産の1%くらいで遊ぶのが良いと思います
半分になっても良いお金ですね
そしてまずは強烈な乱降下に耐えられるかどうかを
自分で試してみるのが良いと思っています
米国相場的にはインフレが収まるまで金融引き締めは続くので
あとはどこで大きな下落が来るかを待つ状態です
キャッシュ多めに、気楽に行きましょう