アストラ・スペース(ティッカーシンボル:$ASTR)が
2022年度第3四半期決算を11/8に発表していました
同社はロケットの打ち上げを代理で行っている企業です
2021/7/1にSPAC企業のHolicityと合併しNasdaqに上場しました
RocketLabのようなロケット打ち上げ企業です
違いとしては小型ロケットを数多く打ち上げることを目論んで上場してきたテンですね
RocketLabやSpaceXは月にいくような大型なものも開発しています
期待はされていたものの、蓋を開けてみれば打ち上げは失敗
株価も急落といったダメダメ企業です
さらに今年5月にこちらで発表があり
今のやり方を変えて少し大型の打ち上げも行っていくとのことでした
(Launch System 2.0と呼んでいます)
もともとこの企業は小さいロケットを多く上げていくことを目指していましたが
早速事業モデルが大きく変わってきているように見え
大丈夫か、と一言投げたいような状態です
株価もSPAC銘柄の中でも群を抜く悲惨さでして
NASDAQからすでに上場廃止通告書を受け取っている企業です
今後株価が上がらないと同社は上場廃止となります
悲惨な結果
プレゼンはこちらから
相変わらず数字が少なくて判断の土台に上がらない、だめなスライドですね
2022Q3 | 結果 | 予想 | 評価 |
EPS | -75¢ | -57¢ | ❌ |
売上高 | $2.78M | $2.72M | ⭕ |
売上高前年同期比(YoY)は比較対象がないのでNAです
1Qより売上高が減った2Qと比べてわずかながら増加しました
ただ、これらの売上はすべてSpace Products(エンジン)でのものであり
打ち上げで一切売上は立ってません
買収したアポロフュージョンからの売上も含まれてます
2021年7月1日からの売上合計で237件となったようです
この分野だけで言いますと黒字が$1.7Mです。ここだけ頑張ればよいのでは?とか思ったりします
全体的にみますと売上は-45.2Mですね。赤字が続いています
同社は有価証券含んで150Mの手残りです
ここの資産はよくわからない見直しをして、今の結果になりました
あまりここをこねくり回すのは得策ではないと思いますが
このペースで行くと後1年足らずで破産ですね
新しい打ち上げシステムについては順調とのことで(疑わしいですが)
2023年後半にテスト開始と発表ありました
コールでは、NASDAQから上場廃止通告を受け取ったことも話してました
経費削減に努めていって株価に反映されることを望む、とか言ってました
やるべきことが経費削減が1st Choiceかどうかは疑問です
ちなみに、経費削減の一連としましてレイオフが実行されてます
16%の人員削減を発表してますね
第4四半期も-$42 ~ -45M くらいの赤字と発表してました
株式発行で$50M程度増強、とのことで公募増資がまたありそうです
QAの中で、他のことをしないのか?等質問があったのですが
回答としましては、選択の結果仕方ない!といった感じの趣旨でした
現在の経済情勢、資本コスト、資本の利用可能性を考えると
宇宙船用エンジンまたはロケット打ち上げを購入した顧客に提供することが全てだと言いきっていました
QAも質問が二人しか出なく、もう投資家の興味がなくなっていると思います
株価は沈没が続く
株価は最高値から-97%です
上場廃止を回避するにはなんとか$1以上の株価に戻らないといけません
果たして挽回できるか、ですね
直近では+12%くらいですが別に良いニュースが出たわけではないです
これは地合いによるもので、買い推奨ではありません
上場廃止に向けてまっしぐら
宇宙開発バブルの一つとして生まれた企業ですが、もう終わりの企業です
最後はどのようになっていくのかを見届けたいと思います
ロケット打ち上げならRocket Labの方が確実に売上を伸ばしています
まだこちらの方が未来はあるかなと思います
こちらも直近では+18%の成長です
それでもSpaceXには遠く及ばないので
この企業にも過信は厳禁です
また次の決算が11/10なので、入るのはこの結果確認してからがよいですね
バブルのうちは多くの企業が生まれ死んでいくということを
身を持って勉強できています
宇宙企業のストーリーに振り回されず、しっかり中身も見ていきましょう
次のGAFAMのような巨大企業はこのようなストーリーではなく
次の不景気の中で生まれてくるのではと思ってます